LESSON COLUMN

2020.12.03

筋トレ後にお酒を飲むことが良くない3つの理由【解決策も教えます】

 

居酒屋に行くと、「筋トレを頑張った後のビールは格別だ!」と言って、そのまま胃に流し込むのでは?と思うくらいにビールを勢い良く飲む方を目にすることがあります。

 

体を動かした後のビールが美味しいのは筆者も実体験済みなので分かりますが、体を作る上ではオススメできる行為ではありません。

 

今回は、筋トレ後にお酒を飲むことが良くない理由だけではなく、どうしても飲みたい方向けに、筋トレ後にお酒を飲む方法もお伝えします。
ぜひ本記事を最後まで読んで、今後の参考にしてください。

 

筋トレ後にお酒を飲むことが良くない3つの理由

 

 

筋トレ後にお酒を飲むことが良くない理由は、以下の3つです。

①筋肉の増加が抑制される
②睡眠の質が下がる
③筋力に悪影響を与える

それぞれがなぜ良くないのかについて解説していきます。

 

①筋肉の増加が抑制される

 

アルコールはタンパク質合成を抑制する働きがあると言われており、これがタンパク質の代謝を悪化させる原因になります。

 

筋トレをする上で必ず抑えておくべきタンパク質の摂取量で書いたように、筋肉は破壊と再生を繰り返しており、その間に栄養素(特にタンパク質)を摂取することでより強い筋肉へと成長していきます。

 

しかし、筋トレ後にアルコールを飲むことでタンパク質の合成を邪魔してしまい、タンパク質を摂取していても筋肉が成長してくれないのです。

パレルモ大学の研究⑴によると、このタンパク質の合成が20%低下することが分かっています。

この数値だけでも、アルコールが筋肉に悪影響を与えることが分かりますね。

 

②睡眠の質が下がる

 

ダイエット成功のカギが睡眠にある3つの理由でも書きましたが、ダイエットにおいて睡眠はとても重要な役割を果たしています。

 

アルコールが睡眠の質を下げると言うと、「お酒を飲むとよく眠れる」という声もありますが、確かにアルコールを飲むとすぐに眠れます。
ただし、アルコールの効果はそこまでです。

 

睡眠の質を高めるためには、ノンレム睡眠(深い睡眠)の時間を長くすること、及び深くすることが大切ですが、アルコールを飲むとノンレム睡眠になる時間が極端に短くなります。
人によってはノンレム睡眠に入らないこともあるくらいです。

 

「お酒を飲んだ次の日は、たくさん寝たのになんだか頭がボーッとする」という経験は、お酒を飲んだことがある方なら一度はしていると思います。
これがまさに睡眠の質を下げている証拠です。

 

筋トレ後は、筋肉を回復させるために良質な睡眠が必要です。
特に、就寝前の飲酒は避けましょう。

 

③筋力に悪影響を与える

 

筋力をアップさせるには、適切な量の水分と電解質が必須です。

 

アルコールの分解には水分を使うため、脱水症状になる可能性があります。
また、アルコールには利尿作用があるため、体内の水分が排出されやすくなってしまいます。

 

つまり、ダブルで水分がなくなるということです。

先ほどのパレルモ大学の研究によると、おおよそ体重1kgあたり1gのアルコールを飲むと、その後、最大60時間にわたって筋力が22%ほど低下するとされています。

後でも書いていますが、お酒を飲む際には併せて水をしっかり摂りましょう。

 

どうしても筋トレ後にお酒を飲む時の対処法

 

 

とはいえ、どうしても筋トレ後にお酒を飲まないといけない(もしくは飲みたい)時もありますよね。
そんな時の対処法が、以下の通りです。

①筋トレ直後は飲まない
②水をたくさん飲む
③1杯程度に留める

それぞれ解説していきます。

 

①筋トレ直後は飲まない

 

冒頭でも書いたように、筋トレが終わって喉が渇いた時に飲むビールは美味しいのはよく分かります。

 

しかし、筋トレ直後の飲酒は、アルコールが体内へ吸収されるスピードが早くなるため危険です。
普段より酔っ払いやすくなったり、脱水症状になりやすくなるので注意しましょう。

 

また、筋トレをする上で必ず抑えておくべきタンパク質の摂取量でも書いたように、トレーニング後の30~90分後にタンパク質の合成作用が最も高くなります。
ですので、このタイミングではアルコールではなく、タンパク質が豊富なプロテインを飲んだほうが良いということです。

 

筋トレした日にお酒を飲む場合は、タンパク質を吸収するために、食事とのタイミングをずらしましょう。
「筋トレ後にプロテインを飲み、帰って食事を済ませて、1~2時間空けてから晩酌する」といった流れが理想です。

 

②水をたくさん飲む

 

先述したように、アルコールには利尿作用があるため、いつも以上に水を飲む必要があります。

 

また、水の摂取は筋肉を作る上でも大切です。
筋トレ後に限らず、普段の生活でも意識的に飲めるようになると良いですね。

 

水の効果に関しては、意外と知らない水のメリット3選で簡単に書いてありますので、気になる方はどうぞ。

水とお酒を交互に飲むと二日酔いを防げるという話もありますが、これは少しだけ違っていて、結局大事なのはアルコールの摂取量です。

イメージして頂ければ分かりますが、どれだけ水を飲んでいてもお酒を大量に飲んでいたら二日酔いになりますよね。

 

何はともあれ、筋トレ後のお酒は基本的にNGですので、とにかく水をたくさん飲んでお酒を飲む量を減らすのが良いでしょう。

 

③1杯程度に留める

 

これを言うと元も子もないかもしれませんが、筋トレ後にお酒を飲むなら1杯程度に留めるのがベストです。

 

実際に先ほどのパレルモ大学の研究を引用すると、体重1kgあたり1gのアルコールを飲むと悪影響が出ましたが、体重1kgあたり0.5gのアルコールだと、さほど影響が出なかったとのことです。

・ビール(500ml)…20g
・ハイボール(500ml)…28g
・ワイン(120ml)…12g
・清酒(180ml)…22g
・焼酎(100ml)…20g

代表的な飲み物を基本的に摂取する量で換算すると、上記のようなアルコール量になります。

 

つまり、体重60kgの人であれば『多くてもお酒は2杯まで』ということですね。

 

【注意】お酒を飲んだ後の筋トレは絶対NG

 

 

筋トレ後のお酒が良くない理由については理解できたと思いますが、もっと危険なのは「お酒を飲んだ後に筋トレを行うこと」です。

①怪我のリスクが高まる
②トレーニングの効果が弱まる

お酒を飲んだ後に筋トレを行うと、上記のようなことが起こる可能性が高くなります。

 

①怪我のリスクが高まる

 

お酒は少量でも飲むと酔って理性を失い始めます。
もちろん集中力も低下するので、この状態でトレーニングを行うと、重りを落としたり、転んだりして怪我をする危険性が高くなります。

 

また、アルコールは血行を促進するので、怪我をしてしまうと炎症や腫れを悪化させやすいです。
その結果、治りが遅くなってしまい、筋トレができなくなってしまいます。

 

怪我をしないためにも、お酒を飲んでからの筋トレは絶対にやめましょう。

 

②トレーニングの効果が弱まる

 

アルコールを摂取することで、以下のようなことが起きます。

・コルチゾールが増える→筋肉分解作用が促進される
・テストステロンが減る→筋肉増強作用が抑制される

こうなるとトレーニングの効果が出ません。
その結果、モチベーションが下がったり、ストレスが溜まってしまいます。

 

怪我のリスクやトレーニングの効果の両面から見ても、飲酒後のトレーニングは危険だと分かりますよね。

 

お酒を飲む適切なタイミング

 

 

お酒を飲む適切なタイミングは、『トレーニングをしない日』です。
残念な事実かもしれませんが、これがお酒を飲みながらトレーニングする際の最も効果が出る方法です。

月曜日…筋トレ
火曜日…筋トレ
水曜日…筋トレ休み、お酒の日
木曜日…筋トレ
金曜日…筋トレ休み、お酒の日
土曜日…筋トレ
日曜日…筋トレ休み、お酒の日

上記のような流れで、筋トレをしない日にお酒を飲むこと。
また、休肝日を設けるためにも、お酒は連日続けて飲まないことが大切です。

 

まとめ:筋トレ後のお酒は基本NG

 

 

最後に本記事のまとめです。

筋トレ後とお酒の関係性

・筋トレ後のお酒が良くない理由は、①筋肉の増加が抑制される、②睡眠の質が下がる、③筋力に悪影響を与える、の3つ
・どうしても筋トレ後にお酒を飲みたい時は、①筋トレ直後は飲まない、②水をたくさん飲む、③1杯程度に留める、の3つを意識する
・お酒を飲んだ後のトレーニングは絶対にやめる
・できればお酒はトレーニングがない日に飲む

よく「お酒はダイエット中は飲んだらダメですか?」と聞かれますが、いつも「ダメではないですが、やめたほうが良い」とお答えします。

 

体を変える上で筋トレは必要不可欠なものなので、筋トレした日はお酒は飲まない。
『飲んでも1杯まで』ということを頭に入れておいてください。

くびれサーキットトレーナー 上原道矢

 

・参考文献
⑴https://nutritionandmetabolism.biomedcentral.com/articles/10.1186/1743-7075-11-26