LESSON COLUMNレッスンコラム
2019.11.10
【必見】腰痛予防のポイントを徹底解説【セルフストレッチあり】
腰痛は、男性では1番目、女性でも肩こりについで2番目に気になる症状で、その発生件数は増加傾向になります。
本記事にたどり着いたあなたも、少し腰が痛くなったり、これから腰痛にならないように予防する方法が知りたかったりと、腰痛について気になっていることでしょう。
本記事では、『腰痛になる原因を解説することで腰痛になりやすいパターンを特定し、どうすれば腰痛を予防することができるのか。』について解説していきます。
年齢を重ねるごとに発症しやすくなる腰痛ですが、きちんとポイントを抑えておけば予防することは可能です。
自分のしたいことを思いっきり楽しめるように、今のうちからしっかりと腰痛を予防しておきましょう。
目次
腰痛になる原因
実は、腰痛のうち原因が特定できるものはわずか15%程度と言われています。
椎間板ヘルニアやすべり症などは、どんなことが原因で発症するのかを特定することができているのですが、残りの85%の腰痛の原因は特定できていないのです。
しかし、ほとんどの腰痛に関して確実に言えることがあります。
それが、『腰部が動きすぎている』ということです。
腰椎は5つあるのですが、5つ合わせても7~8°しか回りません。
胸郭や股関節が相対的に硬かったり左右差が大きいと、腰椎が可動域を超えた範囲で動くなど、腰に対する負担が増えて痛めやすくなります。
腰痛予防のポイント
まず初めに注意していただきたいのが、「腰痛だからといって安静にしないこと」です。
日本では、『腰痛=安静』というイメージが強いですが、これは世界では非常識の考え方になります。
痛みが出るということは、筋肉や骨にかかる負担が部位によって変わり、身体のバランスが悪いと言えます。
つまり、使いすぎている部位を休ませて、逆に使えていない部位を鍛えることで、バランスが良くなり痛みも和らぐというわけです。
それを踏まえた上で、腰痛予防のポイントを3つご紹介します。
②正しい姿勢を常に意識し、無理な体勢での動作を行わない
③同じ姿勢での時間を出来るだけ減らす
胸郭と股関節の可動域やバランスを改善する
先ほども述べたように、腰痛を予防するポイントとして大事なのが、胸郭と股関節の可動域やバランスを改善することです。
弱っている部分をエクササイズで強化し、働きすぎている部分をストレッチで和らげるということを意識してみましょう。
正しい姿勢を常に意識し、無理な体勢での動作を行わない
これは当たり前と言えば当たり前ですが、無理な体勢での動作は禁物です。
重い荷物を持ち上げる際には、腰を曲げたまま持ち上げようとせず、しっかりと膝を曲げてから持ち上げましょう。
こういった少しの油断が、腰痛を発症してしまいますからね。
同じ姿勢での時間を出来るだけ減らす
あとは同じ姿勢でいる時間をできるだけ減らすことも、腰への負担を減らす大事なポイントです。
特にデスクワークの方は、同じ姿勢で長時間いると姿勢も悪くなりがちですので、意識的に立って歩くなどをしてみても良いでしょう。
腰痛を予防する方法
腰痛になる大きなパターンとして、骨盤の「前傾」と「後傾」が挙げられます。
主にこの2つのパターンによって腰痛が発症されるため、本記事ではそれぞれの姿勢においての予防法をご紹介します。
骨盤前傾(反り腰)の腰痛予防法
まずは、骨盤が前傾している「反り腰姿勢」の予防法からご紹介します。
反り腰姿勢の場合、伸びている筋肉と縮んでいる筋肉は以下の通りです。
伸びている部位…もも裏、、お尻、お腹
縮んでいる部位は伸ばし、伸びている部分は縮めましょう。
もも前のストレッチ
反り腰姿勢の場合、膝が伸びきってもも前の筋肉が縮んでいるので、ストレッチを行いましょう。
①真横を向き上側の足首を片手で持つ。その際にもう片方の手で下側の膝を軽く押さえて動かないようにしておく。
②下側の足の位置は変えず上側の足を後ろに引っ張ってももの前を伸ばす。
お尻のインナーエクササイズ
伸びているお尻ともも裏の筋肉を縮めるエクササイズを行いますが、「お尻のインナー→お尻→もも裏」の順番で筋肉に刺激を入れると、効率良く鍛えることができますよ。
まずはお尻のインナーを鍛えるエクササイズからです。
①横向きになり、股関節を100°・膝関節を90°に保つ。
②足の内側をつけたまま骨盤を倒さないように注意して膝を開いていく。
③膝を閉じる際は、負荷が抜けるため閉じ切らない。この動作を15回繰り返す。
もも裏とお尻のエクササイズ
次は、もも裏とお尻を鍛えるエクササイズです。
骨盤が前傾しているので、腹筋に力を入れ骨盤の後傾を作りましょう。
①仰向けに寝て両手を前へならえし、膝関節を70°にする。
②その状態からお尻を浮かす。
③先ほど同様、お尻は地面につけずにまたお尻を上げる。これを15回繰り返す。
骨盤後傾(猫背)の腰痛予防法【背中周り編】
次は、骨盤が後傾している「猫背姿勢」の予防法からご紹介します。
猫背姿勢の場合、伸びている筋肉と縮んでいる筋肉は以下の通りです。
伸びている部位…もも前、背中
また、猫背姿勢の予防法に関しては、「背中周り」と「股関節周り」の2つに分けて解説します。
腰より上と腰より下の両方をバランスよく鍛える必要があるので、そこも意識しながら読んでみてください。
大胸筋のストレッチ
まずは、縮んでいる胸(大胸筋)を伸ばします。
①横向きになり、両手と両膝をくっつける。
②足は地面につけたまま、上の手だけを逆方向に開いていく。
③この動作を10回繰り返す。
胸椎回旋運動
胸をストレッチした後は、胸椎を回旋するエクササイズを行います。
猫背姿勢の場合、この胸椎が回旋しない分腰椎に負担がかかり、腰痛になってしまうケースが多いです。
意識的に胸を開く練習を行い、姿勢を改善しましょう。
①四つん這いの状態で、肩の下に手、股関節の下に膝を置く。
②片方の手を地面につけたまま、手を上げて胸を開く。
③次は逆の手を上げる。
④この動作を左右5回ずつ計10回行う。
このように肩がすくんでしまうと胸が開かないので、肩はスタートポジションのまま手を上げていきましょう。
キャット&ドッグ
背骨を丸める動作でも伸ばす動作でも、基本的には背骨を1つずつ均等に動かしていく感覚を持つことがポイントですので、意識して行いましょう。
①四つん這いの姿勢で、肩の下に手、股関節の下に膝を置く。
②その状態から腰から丸めていき、最終的には背中を丸める。
③丸めた後は、腰から徐々に伸ばしていき、最終的には背骨を伸ばす。
④この動作を10回繰り返す。
このように、腰が丸まず背中だけ丸まるのはNGです。
腰から背中にかけて、キレイなアーチになるように丸めていきましょう。
また、伸ばしていく際に、腰が反りすぎたり肩がすくむのもNGです。
肩は下げ、腰を反りすぎないように意識しましょう。
背中エクササイズ
胸(胸郭)が硬い人は、肩にある「僧帽筋の下部」が弱い傾向にあるので、僧帽筋の下部を意識的に鍛えましょう。
胸椎の回旋を絡めた伸展(伸ばす)動作は、丸まった背中を伸ばすために効果的ですので、猫背姿勢の方にはオススメのエクササイズです。
①軽く膝を曲げて立ち、上体を少し前に倒す。この時、背中が丸まらないように胸を張っておく。
②下半身は固定したまま、腕を斜め後ろ方向へ上げる。
③次は逆方向へ腕を上げる。
④この動作を左右5回ずつ、計10回繰り返す。
骨盤後傾(猫背)の腰痛予防法【股関節周り編】
次は、股関節周りのストレッチやエクササイズをご紹介します。
特に猫背姿勢の場合、この股関節周りの筋肉バランスが悪いので、意識的に鍛えていきましょう。
お尻のストレッチ
まずはお尻を伸ばしていきます。
①お尻を真っ直ぐではなく、対角の肩に向かって持ち上げる。
筋肉の走行を意識してストレッチを行うなら、このように斜めに持ち上げる方が効果的です。
このストレッチを15秒ほど行いましょう。
もも裏のストレッチ
次は、もも裏を伸ばします。先ほど同様、15秒ほど行いましょう。
①もも裏の下部、つまり膝裏の少し上を伸ばす際には以下のように膝を少し曲げた状態でストレッチを行う。
②もも裏の上部、つまりお尻ともも裏の分かれ目を伸ばす際には以下のように膝をより伸ばした状態でストレッチを行う。
腸腰筋エクササイズ
足の付け根にある腸腰筋と呼ばれる筋肉を鍛えます。
この筋肉は股関節周りの筋肉の中でもかなり重要な役割を持っているので、しっかりと鍛えておきましょう。
①壁に背中をつけ、片足を持ち上げて手で抱える。
②足の付け根に刺激が入った位置で手を離す。
③その状態から軽く足を下ろし、また上げる。
④この動作を10回繰り返す。
このように、骨盤が後傾してしまうと腸腰筋に刺激が入らないので、骨盤を前傾させて腰と壁の間に手のひら1枚分のスキマを作っておきましょう。
また、腸腰筋は外旋する(膝を外に開く)ことによって刺激が入るので、膝はやや外に向けて行いましょう。
多裂筋エクササイズ
最後に、背中にある多裂筋を鍛えましょう。
この多裂筋も猫背姿勢の場合、特に弱くなりがちなので、意識して鍛える必要があります。
①四つん這いの姿勢で、肩の下に手、股関節の下に膝を置く。
②その姿勢で、対角の手足を伸ばして15秒キープする。
- 肩がすくまない
- 背中が丸まらない
- 腰が反らない
このエクササイズでは、上記の3点に気をつけて行いましょう。
同じ姿勢が長時間続く人の腰痛予防法
反り腰でも猫背でも、長時間同じ姿勢が続くことが、腰痛の大きな原因であることはご理解いただけたと思います。
同じ姿勢が長時間続くと、背中にある「多裂筋」という筋肉がどんどんかたまっていきます。
そうなると背中の柔軟性がなくなり、不良姿勢が改善されないので、バランスボールを使って骨盤の前傾と後傾を作る練習を行いましょう。
バランスボールエクササイズ
バランスボールがない方は、座っている椅子でもできますので、ぜひ休憩時間にでもやってみてください。
方法は以下の動画で解説しています。
ラットプルマシンエクササイズ
くびれサーキットにもあるマシンですが、このマシンは腰痛予防に効果的ですのでぜひトレーニングメニューに組み込んでみてください。
同じ姿勢で長時間いると、肩の筋肉が固まります。
ですので、意識的に肩の筋肉を動かしましょう。
また、ラットプルダウンの使い方については、【トレーナー直伝】ラットプルマシンとローイングマシンの効果的な使い方で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
①バーを握り、肩を上げる(すくませる)。
②その状態から肘を伸ばしたまま肩を下げる。
③この動作を10回繰り返す。
腰痛予防まとめ
今回は、腰痛になる主なパターンとして挙げられる「反り腰」と「猫背」について解説しましたが、いかがでしたか?
まだ腰痛になっていないとしても、普段から意識的に鍛えたりストレッチを行っていないと、急に腰痛になることもあります。
腰痛になってからだとできるエクササイズも限られてきますので、一番良いのは「予防すること」です。
本記事では、猫背姿勢と反り腰姿勢に分けて腰痛予防法を解説したので、ほとんどの方が自分に当てはまる予防法を理解できたのではないかと思います。
繰り返しになりますが、腰痛は発症してからだとできることも限られてきますので、まだ痛みがない今の時期からしっかりと予防しておきましょう。
くびれサーキットトレーナー 上原