LESSON COLUMNレッスンコラム
2020.04.08
【重要】筋膜ラインとトレーニング効果の関係性【意識すると効果倍増です】
「筋膜」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思いますが、筋膜はリリースするだけはもったいないです。
なぜなら、筋膜のライン(つながり)を意識してトレーニングを行うことで、より効果が発揮されるからです。
本記事ではそんな『筋膜ライン』に焦点を当て、トレーニングの際に意識すると良いポイントを解説します。
また、くびれサーキットで使用するマシンも出てきますので、ぜひマシンを使う際に参考にしてください。
目次
筋膜ラインとは?
「筋膜ラインってなんとなくイメージは出来るけど、なんのことを言っているのか分からない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方のために、まずは『筋膜』について解説します。
筋膜とは?
正式な解説としては、以下の通りです。
もう少し分かりやすくするために、画像で解説します。
(引用:https://core-fit.jp/)
下記は、よく耳にする言葉を外側から内側にかけて順番にしたものです。
↓
皮下組織
↓
筋膜
↓
筋肉
↓
内臓
上でも書いたように、筋膜は筋肉や内臓を保護するように存在するので、ここが癒着していると緩める必要があります。
そう、これが『筋膜リリース』です。
筋膜リリースとは?
『筋膜リリース』という言葉が出たので、少しだけ筋膜リリースにも触れておきます。
「なかなか体の疲れが取れない…」「足がパンパンに張っている」などの悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
このような悩みの原因は、筋膜にあることが多いです。
この凝り固まった筋膜をほぐすのが筋膜リリースなのです。
筋膜リリースについては、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方は目を通して頂ければと思います。
→筋膜リリースで痩せる?筋膜がダイエットの効果を高める理由
なお、この筋膜リリースも筋膜ラインを意識して行った方が効果が出ますよ。
代表的な筋膜ライン
筋膜ラインの種類は大きく7つあると言われています。
②スーパーフィシャル・フロント・ライン(SFL)
③ラテラル・ライン(LL)
④スパイラル・ライン(SL)
⑤ファンクショナル・ライン(FL)
⑥アーム・ライン(AL)
⑦ディープ・フロント・ライン(DFL)
本記事ではその中でも多くのトレーニングで意識すると良い、3つの筋膜について解説します。
ファンクショナル・ライン(FL)
ファンクショナル・ラインは運動時に大きな力を発揮する体幹部分にある筋膜です。
また、この筋膜ラインも多くのトレーニングに用いられています。
機能不全の特徴
前面が硬くなると、猫背や巻き肩になってしまいます。
また、後面が機能不全になっても、猫背や巻き肩になります。
ですので、バランス良く鍛えることが大切です。
猫背姿勢になり腰痛や肩こりを発症しないためにも、意識して鍛えましょう。
筋肉の走行
上の画像で大まかなラインを示していますが、どの筋肉がライン上にあるのかを明記しておきます。
まずは前面からです。
↓
腹直筋(胸)
↓
長・短内転筋(内もも)
次に後面です。
↓
大臀筋(お尻)
↓
外側広筋(ももの外側)
筋肉の走行を意識してトレーニングに取り組んでみてください。
アーム・ライン(AL)
アーム・ラインは以下の4つのラインの総称です。
- スーパーフィシャル・フロント・アーム・ライン(SFAL)
- ディープ・フロント・アーム・ライン(DFAL)
- スーパーフィシャル・バックアームライン(SBAL)
- ディープ・バック・アーム・ライン(DBAL)
中でもDFALとDBALの2つ(前面と後面の深いライン)が重要なポイントです。
基本的には、「指先〜背中or胸」につながる筋膜ラインだと認識しておくと良いでしょう。
機能不全の特徴
深層にあるDFALとDBALが大切だと述べたのは、インナーマッスルを鍛えることが大切と同じ理由です。
»インナーマッスルを鍛える4つのメリット
深層にある筋肉は表層にある筋肉を支える役割を持つため、トレーニング効果を最大限発揮するためにも深層部分を鍛える必要があります。
ただし、DFALには小胸筋と呼ばれる筋肉が含まれており、この筋肉は短縮すると巻き肩を誘発します。
そうなると前面のSFALが優位に働き、後面のALがコントロールを失ってしまうので注意が必要です。
筋肉の走行
上の画像で大まかなラインを示していますが、どの筋肉がライン上にあるのかを明記しておきます。
全て書くと長くなるので、上でも大切だと述べた「DFAL」と「DBAL」の2つについてのみ解説します。
まずは、DFALからです。
↓
上腕二頭筋(力こぶ)
↓
母指球筋群(親指)
次に、DBALです。
↓
棘上筋、棘下筋、小円筋(肩)
↓
上腕三頭筋(二の腕)
ファンクショナルライン同様、筋肉の走行を意識してトレーニングに取り組んでみてください。
ディープ・フロント・ライン(DFL)
耳元から土踏まずまで通る筋膜ラインで、大きな収縮は行いませんが、身体内部の固定や姿勢維持が主な役割を持ちます。
ここを意識して鍛えると体幹部分が安定し、姿勢改善やダイエット効果につながる重要なポイントです。
機能不全の特徴
女性によくある症状と関係が深いラインで、むくみ・生理不順・首こり・ストレートネックなどが起こるのは、この筋膜ラインが原因なことが多いです。
全身の土台になるラインですので、自律神経への影響も大きいとされています。
このラインを理解することで、「足の筋肉を解して、肩こりを改善する」などの遠隔治療も行えるようになります。
筋肉の走行
ディープフロントラインには、「最後部」「前後部」「中部」「前部」の4つがあるため、詳細なラインは明記しません。
おおよそ、この部分というのを理解して頂ければと思います。
↓
横隔膜(お腹)
↓
腸腰筋(足の付け根)
↓
内転筋群(内もも)
↓
後脛骨筋(ふくらはぎ)
このコラムでもよく膝の間にミニボールを挟んでいますが、これはこのDFLを意識したことです。
腹筋トレーニングの際には、ミニボールを膝の間に挟むことで効果が倍増するので、ぜひ取り入れてみてください。
筋膜ラインを意識したトレーニングメニュー
では、筋膜ラインを意識したトレーニングをご紹介します。
自宅でできるトレーニングとマシンを使ったトレーニングを紹介するので、自分に合った方を選んでいただければと思います。
筋膜ラインを意識した自宅トレーニング
まずは自宅でできるトレーニングからです。
脇腹エクササイズ(DFL)
「内もも〜脇腹〜首」の筋膜ラインを意識したトレーニングです。
①横向きの状態になり、上側の足をストレッチポールに乗せる。
②下の足の内ももを触るように、体を横に起こす。この際、上側の足がストレッチポールから離れないように、ストレッチポールを上から押し込む。
この動作を左右10回ずつ3セット行いましょう。
足上げダンベルロウイング(BFL)
「背中〜お尻」の筋膜ラインを意識したトレーニングです。
①バランスボールに手をつき、ダンベルを持った側の足を後ろへ伸ばす。
②手でバランスボールを押しながら、脇を締めたままダンベルを引く。
この動作を左右10回ずつ3セット行いましょう。
対角手足伸ばし(BFL)
「背中〜お尻」の筋膜ラインを意識したトレーニングです。
①両手と両足を少し開いた状態でうつ伏せになる。
②恥骨でマットを押してお腹に力を入れたまま、対角の手足を上げる。
③次は逆の手足を上げる。
この動作を20回3セット行いましょう。
ボール挟み腹筋(DFL)
「内もも〜お腹」の筋膜ラインを意識したトレーニングです。
①仰向けになり、両手を前へならえした状態で膝を軽く曲げる。
②ボールを挟んだまま、お腹の力を使って体を起こす。
この動作を10回3セット行いましょう。
筋膜ラインを意識したマシントレーニング
次にマシントレーニングです。
実際にくびれサーキットに置いてあるマシンなので、気になる方は体験を受けられてみてください。
片足レッグプレス(FFL)
「内もも〜お腹」の筋膜ラインを意識したトレーニングです。
①胸を張ったまま、片足をプレートに乗せる。
②お腹に力を入れ、かかとでプレートを押す。
③ゆっくりとプレートを戻し、お尻の力を使って止める。
この動作を左右10回ずつ3セット行いましょう。
片手チェストプレス(FFL)
「胸〜お腹」の筋膜ラインを意識したトレーニングです。
①通常のポジションに座り、片手でバーを握る。
②お腹と胸の力を使って、バーを押す。
③ゆっくりとバーを戻し、お腹の力を使ってギリギリで止める。
この動作を左右10回ずつ3セット行いましょう。
ロータリートーソ(SL)
「脇腹(前据筋)〜脇腹(外腹斜筋)」の筋膜ラインを意識したトレーニングです。
①膝立ちの姿勢で両肘をバーにつける。この際、お腹に力を入れて少し引っ込める意識を持つ。
②お腹に力を入れたまま、肋骨から下を捻る。
③同じように逆に捻る。
この動作を20回3セット行いましょう。
ラットプルダウン(DBAL)
「小指〜背中」の筋膜ラインを意識したトレーニングです。
①両手でバーを握る。この際、肩を下げておく。
②肩の位置を保ったまま、小指側でバーを引く。この際、肩甲骨が動いているのを意識する。
この動作を10回3セット行いましょう。
【まとめ】筋膜ラインを意識するとトレーニング効果が倍増する
少し専門的な用語が多く、慣れない方には苦痛だったかもしれませんが、筋膜ラインについて理解していただけましたか?
タイトルにもある通り、筋膜ラインを意識するとトレーニング効果は倍増します。
その証拠に、我々パーソナルトレーナーはこの筋膜ラインを意識してメニューを組むことが多いです。
また、くびれサーキットのマットトレーニングでも、筋膜ラインを意識したトレーニングが組み込まれています。
「自分一人でトレーニングしてもなかなか効果が出ない…」という方は、ぜひ一度お越しください。
体のことを熟知したトレーナーが指導させていただきます!
くびれサーキットトレーナー 上原