LESSON COLUMNレッスンコラム
2021.03.03
【保存版】HIITトレーニングの効果とやり方を徹底解説
「なるべく短時間で、効率的に脂肪を燃やす方法とかないかな?」
「HIITトレーニングってよく聞くけど本当に効果あるのかな?」
「HIITトレーニングしたら筋トレしなくても良いのかな?」
こういった疑問を持っていませんか?
ここ最近、トレーニング界で大流行しているHIITトレーニング。
今回は、そんなHIITトレーニングについて、やり方や効果だけでなく、実際のトレーニングメニューについて解説していきます。
目次
HIITトレーニングとは?
HIITとは、「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略称で、負荷の高い運動と小休憩を繰り返すトレーニング法のことです。
代表的なのは、立命館大学の田端教授のグループが開発した「タバタ式トレーニング」ですね。
HIITを行い限界まで体を追い込むことで、脂肪が燃焼しやすい状態をできるだけ長くキープし、体脂肪減少と筋肉増量効果の両方が望めます。
HIITトレーニングの効果とメリット
HIITトレーニングの効果やメリットは、下記の通りです。
②トレーニング後も脂肪が燃焼し続ける
③持久力がアップする
④食欲を減らす
⑤アンチエイジング効果がある
ここまでのメリットがあるのもすごいですよね。
では、それぞれのメリットについて解説していきます。
①短時間で脂肪燃焼効果がある
HIITは、筋トレのような動きを多く取り入れたトレーニング法です。
短時間で全力の筋トレを繰り返し行うことで、筋肉中の糖を消費し、脂肪燃焼がしやすい状態になります。
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また、HIITによって心肺機能が強化されます。
これが基礎代謝がアップに繋がり、結果的に内臓脂肪やカロリーが消費しやすい体になるわけですね。
②トレーニング後も脂肪が燃焼し続ける
私たちの体は、ハードな運動によって体が酸素不足になった時に、酸素不足を補おうとしてより多くの酸素を消費します。
その結果、「運動後の約24時間」は代謝が高い状態が続きます。
HIITを行い、アフターバーン効果を得ることで、太りにくく痩せやすい体づくりができるわけですね。
③持久力がアップする
短時間でハードなトレーニングを繰り返すHIITは、運動中に多くの酸素が必要です。
そのため、肺が酸素を効率的に体へ取り入れようとし、肺機能の活性化が望めます。
また、血液中の酸素を全身に届けるために、心臓の働きも活性化されます。
このような心肺機能の向上により、持久力アップも期待できるわけですね。
④食欲を減らす
程よい運動は、食欲を減らしてくれます。
実際にアバディーン大学でも、「何も運動をしない状態に比べて、HIITは58%も食欲を減らす」という結論が出ています。
HIITは脳の「報酬系」を活性化するため、高カロリーな食事を見ても意識が向かなくなるんですね。
ただし、有酸素運動をやり過ぎると食欲がアップすることが分かっています。
強度をコントロールしたり、時間を短くしたりして、食欲をコントロールしましょう。
⑤アンチエイジング効果がある
運動にアンチエイジングがあることは、ご存知だと思います。
その中でも、「HIITのアンチエイジング効果がずば抜けている」と言われているんですね。
これはノルウェー科学技術大学が行った実験によって分かっていることで、10週間にわたって週に2回HIITを行わせたところ、「体内の炎症レベルが下がり、関節痛も改善された」とのことです。
副作用も見られていないことから、「HIITが運動の中では最強のアンチエイジング法なのではないか」と言われているわけですね。
HIITトレーニングのデメリット
反対に、HIITにはデメリットはないのでしょうか?
結論からお伝えすると、あります。
具体的には、下記のようなものですね。
②高負荷のため、怪我のリスクが高い
③運動の習慣がない人にはオススメできない
それぞれのデメリットについて、簡単に解説していきます。
①とにかくキツイ
当たり前かもしれませんが、全力で運動するため、どの運動よりもキツいです。
ここが最大のデメリットであり、HIITの大きな特徴でもあります。
HIITには「最大心拍数の80%以上を維持できるような筋トレをメニューに組み込む」という基本ルールがあります。
このことからも、筋肉や体力への負荷が非常に高いことはイメージできますよね。
②高負荷のため、怪我のリスクが高い
HIITは激しい運動をやり続けるトレーニングのため、怪我のリスクが高くなります。
実際に、肩やひざの怪我が報告されるケースが多いです。
また、自分を限界まで追いこもうとするため、無理な姿勢で行うことも怪我をする大きな原因と言えますね。
③運動の習慣がない人にはオススメできない
繰り返しですが、HIITは高負荷な運動を短いスパンで繰り返し行うトレーニング法です。そのため、それ相応の体力が求められます。
そういった意味では、運動の習慣が普段ない人はできない筋トレとも言えます。
まずは、軽めのメニューにしたり、時間を短く設定したりと、負荷を軽くするのがオススメですね。
HIITトレーニングの正しいやり方と注意点
先述したように、HIITトレーニングは正しく行えば、理想のボディに最短で近づける手法です。
ただし、その反面、注意点が多いのも事実です。
具体的には、次のようなポイントを意識するのが良いでしょう。
②空腹時に行わない
③基本的には、20秒のトレーニングと10秒の休憩を1セットとする
④毎日は行わない
⑤運動前後でストレッチなどを取り入れる
それぞれのポイントについて解説します。
①大前提として全力で行う
先述したように、HIITには「最大心拍数の80%以上を維持できるような筋トレをメニューに組み込む」という基本ルールがあります。
言い換えると、「全力で行わないと意味がない」ということです。
1つのメニューを終えるごとに「ハァハァ」と息が切れるくらい、限界まで追い込む必要があります。
②空腹時に行わない
筋トレ前後に糖質を摂るべきたった1つの理由【結論:筋肉が成長するからです】でも書きましたが、筋トレ前後は糖質を摂らないと成果が出にくいです。
HIITはトレーニング時間が短時間ではあるものの、非常にエネルギーを使う激しいトレーニングです。
エネルギー不足の空腹状態で行うと、全力で運動を行うことができず、HIITの効果は半減してしまいます。
また、力が思うように出せず、怪我につながってしまうリスクもあります。
最低でも、軽く糖質を摂取した状態で行いましょう。
③基本的には、20秒のトレーニングと10秒の休憩を1セットとする
HIITと検索すると、様々な秒数(トレーニング時間も休憩時間も)が表示されますよね。
基本的には、「20秒のトレーニングと10秒の休憩」を1セットに設定しましょう。
これはいわゆる「タバタトレーニング」ですが、その効果は研究でもお墨付きです。
特に初心者の方は、長すぎる時間設定は避けましょう。
④毎日は行わない
HIITは筋トレの一種なので、毎日やれば効果の出るものではありません。
むしろ、逆効果になることが多いでしょう。
筋肉痛がある時に筋トレをしても良いのか問題をプロが徹底解説!でも書いたように、毎日やる場合は、部位を分けて行いましょう。
後述するような全身メニューのHIITを行う場合は、「週に2〜3回」が目安になります。
⑤運動前後でストレッチなどを取り入れる
【簡単】筋トレ後の疲労回復のポイント3つ【予防法も解説します】でも書きましたが、筋トレ前後のストレッチは大切です。
特に筋トレ後のストレッチは、疲労回復のためには欠かせません。
HIITのような激しい運動をする前は、動的ストレッチがオススメです。
静的ストレッチはむしろトレーニング効果を下げるという研究が多くあるので、HIITの前には動的ストレッチを行うのが無難ですね。
HIITトレーニングメニュー例
今回は、全身を鍛えるHIITトレーニングをご紹介します。
効果的な筋トレの順番をプロが徹底解説【結論:大きな筋肉から鍛えよう】でも書いたように、基本的には大きな筋肉から鍛えるのが原則です。
今回のトレーニングでも、大きな筋肉から鍛えるような順番にしています。
②ワイドスクワットニートゥーエルボー(お尻、内もも、お腹)
③バイシクルクランチ(お腹、脇腹)
④プランクプッシュアップ(お腹、胸)
⑤バーピージャンプ(お腹、腕、背中)
⑥マウンテンクライマー(お腹全体)
順番と主に鍛えられる部位が、上記の通りです。
では、それぞれのトレーニングについて見ていきましょう。
①バックランジニーアップ(お尻、足の付け根)
バックランジと足上げを連続で行うトレーニングです。
①胸を張った綺麗な姿勢で、足を90°まで持ち上げる
②そこから足を後ろに伸ばし、前側のお尻に効かせる
③この動作を左右交互に繰り返す
※よくある不良姿勢
足を上げた時に、体を丸めない。
→最低でも90°は上げる
体を前に倒しすぎない。反対に、体を起こしすぎるのもNG。
→足から膝の角度と上体の角度を近くする(大きくて20°)
②ワイドスクワットニートゥーエルボー(お尻、内もも、お腹)
足を広めに開いた(ワイド)スクワットをした後に、対角の肘と膝をつけるトレーニングです。
①体を起こしたまま膝を曲げる
②起こした時に対角の肘と膝をつける
③この動作を左右交互に繰り返す
※よくある不良姿勢
体が前に倒れすぎる。
→上体はできるだけ起こしておく
足が上がらない。
→足を90°以上引き上げる
③バイシクルクランチ(お腹、脇腹)
体を斜めに起こす腹筋トレーニングです。
①肩甲骨を地面から離し、対角の膝の外側に向かって体を上げる
②肩甲骨を浮かせたまま、反対も同じように行う
③この動作を繰り返す
※よくある不良姿勢
膝の内側に肘がつく。
→肘は膝の外側につける
肩甲骨が地面についている。
→肩甲骨は常に地面から離しておく
④プランクプッシュアップ(お腹、胸)
プランクと腕立て伏せの姿勢を繰り返すトレーニングです。
①プランクの姿勢をとる
②左手右手の順序で体を起こし、腕立て伏せの姿勢になる
③左手右手の順序で体を落とし、プランクの姿勢になる
④この動作を繰り返す
※よくある不良姿勢
腰が落ちて(反って)いる。
→肩からお尻までは一直線にする
お尻が上がりすぎている。
→肩からかかとまでは一直線にする
⑤バーピージャンプ(お腹、腕、背中)
腕立て伏せの姿勢とジャンプを繰り返すトレーニングです。
①腕立て伏せの姿勢をとる
②足を手の横まで引き寄せる
③そこから真上にジャンプする
④腕立ての姿勢に戻る
⑤この動作を繰り返す
※よくある不良姿勢
足がお腹までしか上がっていない。
→手の近く(胸のあたり)まで引き上げる
⑥マウンテンクライマー(お腹全体)
腕立て伏せの姿勢のまま、足を持ち上げるトレーニングです。
①肩から足までを一直線に保ったまま足を引き上げる
②片足ずつ引き上げる動作を繰り返す
※よくある不良姿勢
お尻が上がって背中が丸まる
→肩から足までを一直線に保つ
まとめ:HIITトレーニングで効率よく脂肪を落とそう!
最後に、本記事のまとめです。
・HIITは効率よく脂肪を燃やすトレーニングである
・ただし、初心者は1人でやらない、毎日やらないということに気をつける
・やる場合はトレーニング前後にストレッチを行い、週に2〜3回を目安にする
・基本的には、「20秒トレーニング10秒休憩」を1セットで、4〜6種目程度にする
HIITは効率よく脂肪を燃やす良い方法ではあるものの、ボディメイクするためにそればかりやれば良いかというと、そういうわけではありません。
人それぞれ鍛えるべき部分は違うので、自分に合ったトレーニングをするのが一番です。
ただし、何もしないよりはしたほうが良いので、トレーニングに慣れてきた方は、挑戦してみるのも良いかなと思います。
では、また次回の記事でお会いしましょう!
くびれサーキットトレーナー 上原道矢
https://academic.oup.com/ajcn/article/99/2/258/4571463
https://link.springer.com/article/10.1007/s00421-015-3186-9