LESSON COLUMNレッスンコラム
2021.06.13
インナーマッスルを鍛える3つのメリットと部位別トレーニング
「インナーマッスルって、そもそも何?」
「インナーマッスルを鍛えて良いことってあるの?」
「インナーマッスルって、どうやって鍛えるの?」
こういった疑問を抱いていませんか?
『筋トレといえば目に見える筋肉を鍛えるもの』といったイメージがありますよね。
ですが、実は目に見えないインナーマッスルも大切なんです。
本記事ではインナーマッスルを鍛えるべき理由と、オススメのトレーニングを紹介します。
ぜひ本記事に内容を参考に、トレーニング効率を上げてください。
目次
インナーマッスルとは?
インナーマッスルを一言で表すと、「目に見えない奥にある筋肉」です。
アウターマッスルが外側の筋肉であるのに対し、インナーマッスルは内側にある筋肉という認識でOKです。
インナーマッスルの場所
よく「インナーマッスル=体幹」と認識している方がいますが、これは間違いです。
(体幹は四肢をのぞいた「肩から腰までの長方形」を指します)
インナーマッスルはお腹だけではありません。
お尻や肩などの関節などにも存在します。
分かりやすい例でいうと、野球選手は肩のインナーマッスルとアウターマッスルのバランスを取ることを重視しますよね。
これは、そうすることでより速い球を投げたり、ケガを防止したりすることができるからです。
トレーニング効果が出るまでの期間
インナーマッスルは目に見えない場所にあるため、効果が実感しにくいです。
そのため、途中でやめる人が多いのも事実です。
しかし、後述しますが、インナーマッスルのトレーニングは、アウターマッスルを鍛えるためにも必要不可欠と言えます。
そのため、正しいフォームでトレーニングすることが重要です。
目安としては、トレーニングを始めて1ヶ月〜2ヶ月ほど経ってから効果を実感することが多いです。
インナーマッスルを鍛える3つのメリット
結論、インナーマッスルを鍛えるメリットは、次の3つです。
②関節を安定させることができる
③筋トレの効果が倍増する
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
①姿勢やスタイルが改善する
インナーマッスルは「姿勢保持筋」とも呼ばれます。
そのため、鍛えることで姿勢やスタイルが改善されるんですね。
【事実】実年齢より上に見られる原因は「姿勢」にある【改善方法を解説】でも書いたように、姿勢はあなたが思っている以上に人生に影響を及ぼします。
普段の生活で姿勢やバランスを意識することは少ないですよね。
もしかすると、腰や背中が曲がっていたり、身体が傾いていたりと、知らぬ間にどんどん歪んでしまっているかもしれません。
この身体の歪みを改善しないままトレーニングを行うと、スタイルの改善ができないだけでなく、偏った負荷がかかり怪我などに繋がってしまうのです。
ちなみに、姉妹店であるくびれ美人では、必ず体の歪みを整えてからトレーニングに入ります。
繰り返しですが、インナーマッスルは関節を安定させて、身体のバランスをコントロールする筋肉です。
そのため、トレーニングの中にインナーマッスルトレーニングを組み込むことで、歪みの少ないスタイルの良い身体を目指すことができるのです。
②関節を安定させることができる
身体の軸を安定させないままトレーニングを行うと、怪我や故障のリスクが飛躍的に上昇してしまいます。
これは、何となくイメージできますよね。
関節部分を保護し、安定させる役割を持つインナーマッスルは、バランスよく鍛えることで関節を正常な位置に整えます。
怪我のリスクを下げることはもちろん、筋肉同士の伝達スピードも上昇するため、鍛えたい部位を効果的に鍛えることができるのです。
つまり、アウターマッスルばかりを鍛えている人ほど、実はインナーマッスルを鍛える必要があるんですね。
③筋トレの効果が倍増する
インナーマッスルは大胸筋や腹筋(腹直筋など)、広背筋といった大きな筋肉であるアウターマッスルの動きをサポートする役割を持ちます。
また、インナーマッスルを強化し関節の円滑な運動が行えるようになると、骨が正しい位置に戻り関節がスムーズに動くため、アウターマッスルのポテンシャルを十分に発揮できます。
このように、インナーマッスルを鍛えることでアウターマッスルのポテンシャルも最大限発揮されるため、「インナーマッスル→アウターマッスル」という順番でトレーニングを行うと、より効果が出ると言えますね。
プロのアスリートがインナーマッスルを鍛える理由は、ここにあったのです。
他にもいくつかメリットがあるので、詳しくはインナーマッスルとアウターマッスルの違い【インナーユニットについても言及】をご覧ください。
インナーマッスルにまつわるウワサ
「インナーマッスル」と検索すると、色々なウワサが流れていますよね。
そこで、プロの目線から、よくあるウワサに実体験をもとに解説していきます。
・負荷の高いエクササイズではインナーマッスルを刺激できないのか?
・インナーマッスルを鍛えれば痩せるのか?
よくある質問は、上記の通り。
では、1つずつ回答していきます。
インナーマッスルは重要。では、アウターマッスルは鍛えなくていい?
インナーマッスルという言葉が流行った時、このようなことを言う人がたくさんいました。
観察してみると、今も一定数いますね。
しかし、これは正しい情報ではありません。
確かに、インナーマッスルを鍛えることは大切です。
ただ、インナーマッスルだけを鍛えても、思ったほど体は変わらないでしょう。
先述したように、インナーマッスルは家でいう土台となる部分、ここを鍛えつつ家を建てないと、いつまで経っても家は完成しません。
あくまでも、両方を鍛えることが大切ということです。
負荷の高いエクササイズではインナーマッスルを刺激できないのか?
「インナーマッスルをピンポイントで刺激するためには、軽い負荷で行う必要がある。」
これも、インナーマッスル人気が高い時によく聞いた言葉ですよね。
しかし、実際はそうではありません。
高負荷のトレーニングでも、しっかりインナーマッスルを刺激できます。
むしろ、そのほうが刺激されるでしょう。
アウターマッスルだけ刺激されるわけでも、インナーマッスルだけ刺激されるわけでもありません。
インナーマッスルもアウターマッスルも、双方が力を発揮することでカラダがスムーズに動くのです。
インナーマッスルを鍛えれば痩せるのか?
「インナーマッスルを鍛えれば体重が落ちるか」と言われると、そう単純な話ではありません。
確かに、インナーマッスルを鍛えることで基礎代謝が上がるのは本当です。
ただ、より代謝を上げるのであれば、大きい筋肉を鍛えたほうが効率的です。
あくまでも、「内臓の安定化」や「姿勢の改善」を目的にしましょう。
【部位別】インナーマッスルを鍛えるオススメトレーニング
ここまでの説明を踏まえた上で、インナーマッスルを鍛えるトレーニングをご紹介します。
ここでは、以下の3つの部位に焦点を当てて解説していきます。
・お尻
・肩
インナーマッスルを鍛えた後は、アウターも鍛えてくださいね。
お腹
まずは、お腹のインナーマッスルから。
お腹は体の中心部にあるため、特にインナーマッスルを意識しましょう。
腹横筋①
(※アトラスより引用)
腹横筋は体幹部をまとうコルセットのような形状をしています。
そのため、この部分を鍛えることで、引き締まったお腹に近づけることができます。
腹横筋を鍛えるトレーニングとしては、「腹式呼吸」が効果的です。
①仰向けの状態で寝て、脱力する
②鼻から息を吸い、ウエスト全体を膨らませる
③口から息を吐き、空気を全部抜く(この時、お尻の穴を頭の方向へ引き上げる意識を持つことで、骨盤底筋群も鍛えられる)
④この動作を10〜15回行う
手のひらを上にしたほうが肩甲骨のポジションが良くなるので、脱力した状態で手のひらを上に向けて行いましょう。
腹横筋②
次に紹介するのは、「腹圧(IAP)呼吸」です。
①仰向けの状態で寝て、脱力する
②鼻から息を吸い、ウエスト全体を膨らませる
③お腹を膨らませたまま、口から息を吐く
④この動作を10〜15回行う
このIAP呼吸を行うことで、体幹が安定し、疲れにくい体に近づけることができます。
先述した腹式呼吸と並行して行えると良いですね。
腸腰筋
(※アトラスより引用)
腸腰筋は、「大腰筋」「小腰筋」「腸骨筋」の3つからなる筋肉です。
この部位は唯一、下半身と上半身をつなぐ筋肉なので、ボディメイクする上では欠かせません。
腹横筋と並行して行うことで、体幹部分のインナーマッスルを効果的に鍛えることができます。
①仰向けの状態で寝て、両膝を持ち上げる。この時、腰に手のひら1枚分入るほどのスキマを開けておく
②腰のスキマを保ったまま、足を落ちないように自分のほうに引き上げる意識を持つ
③この状態を10〜15秒ほどキープする
繰り返しですが、腰のスキマを保ったまま行いましょう。
お尻
次は、お尻のインナーマッスルです。
スクワットなどのお尻のトレーニングの前に行うことで、出力が上がります。
梨状筋
(※アトラスより引用)
梨状筋は、お尻のインナーマッスルの中では大きな筋肉です。
筋肉の走行が斜めなので、トレーニング時は角度を意識する必要があります。
①手を枕にした状態で、横向きに寝る
②骨盤とかかとを止めたまま、膝を開く
ちなみに、股関節の角度は以下の写真の通りです。
③この動作を左右15回ずつ、2セット行う
梨状筋が斜めに走行しているので、股関節の角度を135°に設定しましょう。
また、上げるときだけではなく、下ろすときにもお尻を使っている感覚を持って行いましょう。
大腿方形筋
(※アトラスより引用)
大腿方形筋も、お尻のインナーマッスルの中では比較的大きな筋肉です。
先ほどの梨状筋とは異なり、走行はほとんど横です。
①手を枕にした状態で、横向きに寝る
②骨盤とかかとを止めたまま、膝を開く
ちなみに、股関節の角度は以下の写真の通りです。
③この動作を左右15回ずつ、2セット行う
大腿方形筋がほとんど横に走行しているので、股関節の角度を100°に設定しましょう。
先述したトレーニングと並行して行えると良いですね。
中臀筋
(※アトラスより引用)
中臀筋はお尻の横についている筋肉で、引き締まったお尻を実現させるためには欠かせない部位です。
また、女性は骨盤が横に広く中臀筋が伸びる傾向にあるため、意識的に鍛える必要があります。
①手を枕にした状態で、上側の足を伸ばして横向きに寝る
②上側の足をまっすぐ上に持ち上げる
③下ろす位置はスタート位置と同じくらい
④この動作を左右15回ずつ、2セット行う
基本的には、足はまっすぐ持ち上げるイメージでOKです。
また、上げる時も下ろす時もかかと中心にして行いましょう。
肩
最後は、肩のインナーマッスルです。
肩に違和感がある方は、ベンチプレスなどのプッシュ系の種目を行う前に入れると良いでしょう。
棘下筋
(※アトラスより引用)
棘下筋は、肩甲骨の下にある筋肉です。
肩関節の安定化には欠かせない筋肉なので、意識的に鍛えられると良いですね。
①ファーストポジションで、ダンベルを軽く握る
②脇を閉めたまま、手を外に開く
③力を抜かずにスタート位置に戻す
④この動作を左右15回ずつ行う
脇が開くと筋肉への刺激が減るので、しっかりと脇を閉めたまま行いましょう。
肩甲下筋
(※アトラスより引用)
肩甲下筋は、肩甲骨と肋骨の間に位置する筋肉です。
名前の通り、肩甲骨の動きを出すためには欠かせません。
①ファーストポジションで、ダンベルを軽く握る
②脇を閉めたまま、手を内側に捻る
③力を抜かずにスタート位置に戻す
④この動作を左右15回ずつ行う
先述した棘下筋のトレーニングと並行して行えると良いですね。
棘上筋
(※アトラスより引用)
棘上筋は、肩甲骨の上にある筋肉です。
棘下筋や肩甲下筋よりも小さな筋肉ですが、三角筋の補助の役割も持つため、意識的に鍛えておく必要があります。
①綺麗な姿勢で立ち、ダンベルを軽く握る
②やや斜め前(10〜20°)に手を上げる
③力を抜かずにスタート位置に戻す
④この動作を左右15回ずつ行う
肩が挙上しない(上がらない)ように注意しながら行いましょう。
動く範囲でいうと、先ほどの2つのトレーニングよりも少し狭いです。
まとめ:インナーマッスルを効果的に鍛えてボディメイクしよう!
最後に、本記事のまとめです。
・インナーマッスルは、トレーニングを始めて1ヶ月〜2ヶ月ほど経って効果を実感することが多い
・インナーマッスルを鍛えることで、姿勢の改善や関節の安定化といったメリットが得られる
・インナーマッスルとアウターマッスルは、同時にバランス良く鍛えることが大切
・お腹、お尻、肩のトレーニングの前には、インナーマッスルを入れると効果的
意外と意識しないインナーマッスルですが、ぜひこれからは意識してみてください。
アウターマッスルと一緒に鍛えれば、効果倍増しますよ。
では、また次回の記事でお会いしましょう!
くびれサーキットトレーナー 上原道矢