LESSON COLUMN

2021.01.20

【注意点あり】最も効果が出る筋トレの時間帯と継続のコツ

【注意点あり】最も効果が出る筋トレの時間帯と継続のコツ

 

「自分は朝に筋トレをしているけど、本当にそれで効果が出るんだろうか…」
「夜のほうがパワーが出やすいって聞いたけど、筋トレはやっぱり夜やるほうが良いのかな…」

 

こういった悩みを抱えていませんか?

 

本記事を読むことで、最も効果が出る筋トレの時間帯と継続するためのコツについて知ることができます。

 

これまで筋トレが継続できなかった方や筋トレの時間帯に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

目次

時間帯によって得られる筋トレの効果

 

時間帯によって得られる筋トレの効果

 

筋トレをする時間帯は、大きく分けると2つです。
(※昼の時間帯は少ないので、ここでは明記していません。)

・午前中(6~10時)
・夕方以降(17~21時)

仕事がある前提で、「仕事前」と「仕事後」という振り分けをしています。

 

それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

 

午前中に筋トレをするメリット

 

午前中に筋トレをするメリットは、次の通りです。

・体を温めることができる
・1日を通して代謝が良くなる
・習慣化しやすい
・集中力が高まる

それぞれのメリットについて簡単に解説します。

 

メリット①:体を温めることができる

 

人間の体は、朝が最も体温が低いです。
そこで筋トレをすることで、体温を上げることができます。

 

また、交感神経が優位になることから、体がスッキリします。
その結果、仕事や学校でいつもよりエネルギッシュな生活を送れるでしょう。

 

メリット②:1日を通して代謝が良くなる

 

朝は代謝も低いですが、筋トレをすることで代謝が上がり、その効果は1日中続きます。
そのため、いつもよりもカロリーを消費しやすくなるのです。

これを「EPOC(運動後過剰酸素消費量)」と呼び、筋トレをしてから約24時間続くと言われています。

朝に筋トレをすることで、よりカロリーが消費される時間が長くなるので、ダイエットをする方には向いています。

 

メリット③:習慣化しやすい

 

実は、朝起きてすぐが「最も習慣化しやすい」と言われています。
実際に、ニース・ソフィア・アンティポリス大学が48人を対象にした実験でも、起きてすぐにストレッチをしたグループのほうが、寝る前にストレッチをしたグループよりも早く習慣化できていました。

 

これには、『コルチゾール』が大きく関係します。
コルチゾールとはストレスホルモンの一種で、朝起きてすぐが最も分泌されます。

このコルチゾールはイライラした時などに分泌され、コルチゾールが分泌されると目の前の物事に集中しようとします。

ただ、イライラしている時に「週末はあのアイドルのライブを観に行こう!」なんてことは考えないですよね。

 

つまり、コルチゾールが分泌されるタイミングで習慣化したい物事に取り組むことで、より習慣化しやすくなるというわけです。

 

メリット④:集中力が高まる

 

筋トレをすることで起床後のリラックスした状態から脳が活性化され、集中力が向上しやすくなります。
つまり、こうすることで仕事や家事で午前中から高いパフォーマンスを発揮できるのです。

 

「脳を鍛えるには運動しかない」という本があるように、運動は脳を活性化させる最も効果的な方法なので、年代を問わず意識してほしいですね。

 

午前中に筋トレをするデメリット

 

次に、デメリットです。

・負荷をかける運動は怪我のリスクを上げる
・食事のタイミングが難しい
・負荷によっては疲労感が残る

それぞれのデメリットについて簡単に解説します。

 

デメリット①:負荷をかける運動は怪我のリスクを上げる

 

起きた直後は体がリラックスモードなので、重い負荷を扱うのには向いていません。
動く場合には、体を温めてからでないと危険です。

 

午前中に筋トレをする場合は、より入念に動的ストレッチやウォーミングアップをするようにしましょう。

 

デメリット②:食事のタイミングが難しい

 

筋トレを空腹で行うことは、パフォーマンスを落とす要因の1つです。
ですが、午前中は後に仕事が入っている場合が多く、食事との兼ね合いが難しいのも事実です。

 

この食事のタイミングに関しては、第3章で詳しく解説します。

 

デメリット③:負荷によっては疲労感が残る

 

先ほど「朝に重い負荷は危険」という話をしましたが、もし仮にウォーミングアップを入念にした上で重い負荷を扱ったとしても、疲労感が残る可能性があります。

 

程よい強度なら1日を活発に過ごすことができますが、強度が高すぎると午後にエネルギー切れになってしまいます。

 

仕事がある日の午前中に筋トレを行う場合は、適切な負荷設定を心がけましょう。

 

夕方以降に筋トレをするメリット

 

夕方以降に筋トレをするメリットは、次の通りです。

・体が温まっている
・筋トレ後にゆっくり食事や入浴ができる
・成長ホルモンが最も多く分泌されている
・睡眠の質が上がる

それぞれのメリットについて簡単に解説します。

 

メリット①:体が温まっている

 

人間の体温が最も上がるのは、夕方(午後4〜6時)と言われています。
そのため、この時間帯でのトレーニングではより重い重量が扱え、筋トレの効果が出やすいです。

 

また、体が温まっているので怪我のリスクも低くなります。
これも嬉しいポイントの1つですね。

 

メリット②:筋トレ後にゆっくり食事や入浴ができる

 

朝は仕事があるため、「ゆっくり湯船に浸かって、食事もゆっくり摂る」ということはできません。
しかし、夜なら可能です。

 

【簡単】筋トレ後の疲労回復のポイント3つ【予防法も解説します】でも解説したように、疲労を回復させるためには「食事」と「入浴」が欠かせません。(※睡眠も大切です)
夕方以降(就寝前3時間)に筋トレをすることで、ゆっくり湯船に浸かることができ、疲労回復も期待できるわけですね。

 

メリット③:成長ホルモンが最も多く分泌されている

 

夕方は体温が高くなるとともに、成長ホルモンが最も多く分泌されるタイミングでもあります。
成長ホルモンは筋トレの効果を出す上では欠かせません。

 

つまり、このタイミングで筋トレをすることで、より効果が得やすくなるということですね。

 

メリット④:睡眠の質が上がる

 

睡眠を誘発させるためには、ある程度の疲労感が必要です。

 

ご存知の通り、筋トレをすることで疲労感を得ることができます。
つまり、程よい強度の筋トレをすることでスッと眠ることができるわけです。

 

先述した成長ホルモンは睡眠中にもたくさん出るため、質の高い睡眠は筋肉を成長させる上では欠かせません。
夕方に筋トレをすることで、筋トレの効果を爆発的に上げることができるわけですね。

 

夕方以降に筋トレをするデメリット

 

次に、デメリットです。

・急な予定が入ることがある
・疲れが溜まってモチベーションが下がりやすい
・寝れなくなることがある

それぞれのデメリットについて簡単に解説します。

 

デメリット①:急な予定が入ることがある

 

夜は朝とは違い、急な予定が入りがちです。

 

・上司から飲みに誘われた
・仕事で対応しないといけないトラブルが起きた
・急にミーティングが入った

 

このように、夜は何が起こるか分からないという欠点があります。

 

デメリット②:疲れが溜まってモチベーションが下がりやすい

 

仕事でヘトヘトになった経験は誰しもがしたことがあると思います。
そんな時に筋トレをするのは困難です。

 

疲れやストレスが溜まると筋トレに対するモチベーションも下がってしまいます。
この問題を解決する方法としては、周りに「今日は何時から筋トレに行きます!」と公言しておくのがオススメです。

 

デメリット③:寝れなくなることがある

 

先ほど「筋トレは睡眠の質を上げる」と言いましたが、激しい運動をすることで交感神経を強めてしまい、寝れなくなることがあります。

 

この解決策はシンプルで、寝る直前の筋トレは避けましょう。
具体的には、就寝3時間前からのトレーニングでは、高強度または長時間のトレーニングを避けるのが賢明です。

 

また、初心者の方であれば、慣れるまでは強度の高いトレーニングは避けたほうが良いでしょう。

 

最も効果が出る筋トレの時間帯

 

最も効果が出る筋トレの時間帯

 

ここまでの話と科学的根拠を踏まえると、筋肉量を増やすことにおいては、最も効果が出る筋トレの時間帯は「夕方」です。

 

夕方の筋トレが筋肉量を増やした実験

 

ユヴァスキュラ大学が行った実験⑴では、24人の男性を対象に午前と午後に筋トレをするグループに分けて、どちらが筋力アップに最適化を調べています。

 

結果を見てみると、「夕方に筋トレをしたほうが筋肉がついていた」という結論になっていました。

 

ほかにも似たような結果の実験がいくつかあるので、夕方に筋トレをしたほうが効果が出やすいと言えるでしょう。

 

夕方に筋トレをしたほうが筋肉量が増える理由

 

夕方以降に筋トレをしたほうが筋肉量が増える理由は、次のように考えられています。

・午前よりも午後のほうが体温が高いので筋肉が動かしやすい
・トレーニング後のテストステロンの分泌量が午後のほうが多い
・トレーニング後のコルチゾールの分泌量が午後のほうが少ない

テストステロンは筋肉を成長させるホルモンで、コルチゾールは筋肉を分解させるホルモンなので、そういった観点から見ても夕方以降にトレーニングをするのが良いというわけですね。

 

食事と筋トレのタイミング

 

食事と筋トレのタイミング

 

朝に筋トレをするにせよ、夕方以降に筋トレをするにせよ、気になるのが食事との兼ね合いですよね。

 

「どのタイミングで食事を摂れば良いんだろう…」
「寝る前の食事は良くないけど具体的にはどのくらいだったら大丈夫なんだろう…」
こういった悩みや疑問を持っているのではないでしょうか?

 

ここでは次の3つのパターンに分けて、食事と筋トレのタイミングについて解説します。

①午前中に筋トレをするパターン
②夕方以降に筋トレをするパターン(先に筋トレパターン)
③夕方以降に筋トレをするパターン(先に食事パターン)

これから紹介する方法をもとに、ご自身の生活にチューニングしてください。

 

①午前中に筋トレをするパターン

 

まずは、午前中に筋トレをするパターンからです。
このパターンでは、基本的に次のような流れを意識するのが良いです。

6時…起床
6時15分…朝ごはん①
7時…筋トレ開始
8時…シャワー、朝ごはん②
8時半…仕事開始

朝ごはん①では筋トレのエネルギー源となる糖質を軽く摂取します。
ここで食べるものは、「おにぎり」や「バナナ」などの軽いもので大丈夫です。

 

朝ごはん②ではタンパク質をメインに摂ります。
「朝はあまり食べられない」という方は、豆腐や納豆などの軽いものやプロテインを活用しましょう。

 

筋トレの時間に関しては、20〜40分程度を目安にすると良いですね。

 

②夕方以降に筋トレをするパターン(先に筋トレパターン)

 

次は、夕方以降に筋トレをするパターンの1つ目です。
このパターンでは、先に筋トレをします。

18時…仕事終了(ここで軽食)
18時半…筋トレ
19時半…夜ご飯
21時半…入浴
23時…就寝

仕事終了とともに、軽食を摂ります。
ここで食べるものは、先述した「おにぎり」や「バナナ」がオススメです。

 

筋トレは30〜60分を目安にしましょう。
朝よりも時間が長いのは、より力が発揮でき、追い込めるためです。
※もちろん、ダラダラしながら長時間やるのはNGです

 

テキサス大学が行ったメタ分析⑵によって、寝る1〜2時間前に入浴を済ませるのが最も睡眠の質を高めるタイミングということが分かっているので、入浴のタイミングは就寝から逆算してください。

 

③夕方以降に筋トレをするパターン(先に食事パターン)

 

最後は、夕方以降に筋トレをするパターンの2つ目です。
このパターンでは、先に食事をします。

19時…仕事終了
19時半…夜ご飯
21時…筋トレ
22時…入浴(タンパク質摂取)
23時半…就寝

基本的には同じですが、夜ご飯の部分ではお腹いっぱい食べず、腹六分目を目安にしましょう。
意識すべきは、糖質とタンパク質の多い食事ですね。

 

また、筋トレ後の入浴の前に、豆腐やゆで卵などササッと食べられる高タンパク質食を摂りましょう。
ここでプロテインを飲むのも良いです。

 

「仕事が遅くなり、筋トレを先にすると食事が遅くなってしまう」という方は、このパターンがオススメです。

 

【注意】筋トレの時間帯よりも大切なこと

 

【注意】筋トレの時間帯よりも大切なこと

 

ここまで、筋トレの時間帯によるメリットやデメリット、どの時間帯に筋トレをするべきかという話をしてきましたが、それよりも大切なことがあります。

 

それが、『自分がやりたい時間にトレーニングをすること』です。

 

筋トレは続けることが一番大切

 

当然すぎる事実ですが、筋トレは継続することが一番大切です。

 

「夕方のほうが筋肉がつきやすいから、これからは夕方に筋トレをするぞ!」と意気込んでも、1ヶ月後に続けられないなら意味がありません。

 

それよりも、「早起きできるから朝に時間をとってトレーニングしよう!」や「1日をエネルギッシュに過ごせるから朝のトレーニングが合っているんだよな!」といって、自分のやりやすい時間帯でトレーニングをするのがベストです。

 

『筋トレは続けることが一番大切』
これを今一度、頭に入れておいてください。

 

実験でも実証済み

 

「筋トレは午後にしたほうが筋肉がつきやすい」と説明してきましたが、サムフォード大学が面白い実験⑶を行っています。

 

この実験では、午前8時に筋トレをするグループと午後4時に筋トレをするグループに分けた上で、被験者のトレーニングの時間帯の好みをヒアリングしています。

 

その結果、「モチベーションや苦労感については好きな時間にトレーニングした方がいい」ということが分かったのです。

 

このことからも、自分が好きなタイミングで筋トレすることの大切さが伺えます。

 

まとめ:自分にあったタイミングで筋トレをしよう!

 

まとめ:自分にあったタイミングで筋トレをしよう!

 

最後に、本記事のまとめです。

まとめ

・朝と夜の筋トレは、それぞれメリット・デメリットがある
・最も効果が出る筋トレの時間帯は「夕方」
・とはいえ、筋トレは自分が好きな時間帯でするのが一番良い

ということで、最も効果が出る筋トレの時間帯について解説しましたが、自分がいちばんやりやすいタイミングで筋トレをしてください。

 

日によって違ってもOKです。
とにかく、継続することを念頭に置いた上でスケジュールを組みましょう。

 

本記事をキッカケに、また新たな筋トレ好きが増えてくれたら嬉しいです。

 

では、また次回の記事でお会いしましょう!

 

くびれサーキットトレーナー 上原道矢

 

・参考文献
⑴https://journals.lww.com/nsca-jscr/Fulltext/2009/12000/Effect_of_Time_of_Day_Specific_Strength_Training.5.aspx
⑵https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1087079218301552?via%3Dihub
⑶https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32633217/