LESSON COLUMN

2020.12.21

効果的な筋トレの順番をプロが徹底解説【結論:大きな筋肉から鍛えよう】

 

これから筋トレを始める方やトレーニング始めたばかりの方の場合、トレーニングの順番を意識せずに行っていることがほとんだと思います。

 

しかし、これは非常にもったいないことで、順番を意識することで筋トレの効果が出やすくなります。

 

本記事では、60,000人以上の指導実績があるパーソナルトレーナー集団が考案したくびれサーキットで働く筆者が、筋トレの効果を最大限に引き出す『筋トレの順番』をご紹介します。

 

他の記事では書かれていない注意点もあるので、ぜひ最後まで読んでご自身のトレーニングに活かしてください。

 

効果的な筋トレの順番

 

 

結論からお伝えすると、効果的な筋トレの順番は「大きい筋肉→小さい筋肉」です。

 

大きな筋肉から鍛えるべき3つの理由

 

大きな筋肉から鍛えるべき理由は、以下の3つです。

①大きな筋肉のほうがよりエネルギーが必要だから
②大きな筋肉を鍛えると小さな筋肉も一緒に鍛えられるから
③変化や効果を感じやすいから

それぞれの理由について解説していきます。

 

①大きな筋肉のほうがよりエネルギーが必要

 

トレーニングを行う際、大きな筋肉を鍛える時のほうがよりエネルギーが必要になります。
実際に行ってみると分かりますが、レッグプレストライセプスマシンだと、前者のほうが圧倒的にエネルギーを使います。

 

仮に大きな筋肉のトレーニングを終盤に持ってきた場合、すでにエネルギーが不足し、本来出せるはずの力(パワー)が発揮できなくなってしまいます。これでは効率が悪いですよね。

 

大きな筋肉のトレーニングは、ある程度体力が残っている序盤に組み込みましょう。

 

②大きな筋肉を鍛えると小さな筋肉も一緒に鍛えられる

 

大きな筋肉を鍛える際には、付随して小さな筋肉が鍛えられることが多いです。
例えば、レッグプレスを使ってトレーニングをする際には、メインとなる「大臀筋」の他に、「内転筋群」や「大腿四頭筋」、「ハムストリングス」なども動員されます。

 

この中でも内転筋群は、比較的小さな筋肉と言えます。
大きなトレーニングを行うことで小さな筋肉も一緒に鍛えられるのは嬉しいですよね。

 

③変化や効果を感じやすい

 

第2章でも筋肉の大きさを詳しく解説しますが、大きな筋肉ほど見た目の変化も大きいです。
特に、お尻や背中の筋肉は見た目の変化が大きく、かつ自分自身でも感じやすい部位ですね。

 

もちろん、小さい筋肉が変化を感じづらいわけではありませんが、大きい筋肉のほうが変化や効果を実感しやすく、モチベーションも上がりやすくなります。

 

【注意】小さい筋肉を先にしたほうが良い場合もある

 

ここまで「大きい筋肉を鍛えるべき理由」を解説してきましたが、小さい筋肉を先に鍛えたほうが良い場合もあります。
それが、『インナーマッスルを先に鍛える場合』です。

 

例えば、お尻のトレーニング(ここではスクワット)を行うとします。
その場合、スクワットの前にお尻のインナーマッスルである、「梨状筋」や「大腿方形筋」などを鍛えたほうが、よりパワーを発揮しやすくなります。

 

つまり、必ずしも大きい筋肉を先に鍛えるわけではなく、部分ごとに小さい筋肉を先に鍛えたほうが良い場合もあるというわけですね。

 

筋肉の大きさランキング

 

 

筋トレを組み立てる前に、筋肉の大きさについて理解しておきましょう。

 

人体の中で筋力が大きい順に並べたものが、以下になります。
(※平均的な筋量なので、多少なり誤差はあります)

1位「大腿四頭筋(太もも前)」…1913㎤
2位「大臀筋(お尻)」…864㎤
3位「三角筋(肩)」…792㎤
4位「ハムストリングス(太もも裏)」…776㎤
5位「大胸筋(胸)」…676㎤
6位「大内転筋(太腿内側)」…666㎤
7位「上腕三頭筋(二の腕裏)」…620㎤
8位「広背筋(背中)」…550㎤
9位「腸腰筋(腹筋の深部)」…500㎤
10位「僧帽筋」(首~背中)」…458㎤

ここには入れていませんが、ふくらはぎの筋肉である「下腿三頭筋(ヒラメ筋と腓腹筋)」は第3位になると言われています。

 

それぞれの部位を鍛えるトレーニングについても解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

この筋肉の大きさを理解した上でトレーニングを行うとより効果が出るので、おおよその順番を頭に入れておきましょう。

 

筋トレの順番を考える時のポイント3つ

 

 

筋トレの順番を考える際には、以下のポイントを意識すると良いです。

①基本的には下半身(お尻)から鍛える
②ウエイトやマシンを使う前に体幹を入れる
③腹筋は最後の追い込みで入れる

それぞれ解説していきます。

 

①基本的には下半身(お尻)から鍛える

 

人体の筋肉の7割は下半身にあります。
そのため、代謝をアップさせるためにも下半身から鍛えたほうが効率良いです。

 

また、下半身を鍛えることで日常生活の質が向上します。
足腰が悪くなる原因はさまざまですが、特に下半身の筋力低下は足腰を悪くする大きな原因と言えるでしょう。

 

下半身を鍛えることでブレない体に近づけるので、基本的には下半身(お尻)から鍛えることをオススメします。

 

②ウエイトやマシンを使う前に体幹を入れる

 

先述したように、基本的には大きな筋肉から鍛えたほうが良いです。
しかし、その前にインナーマッスルを鍛えることで、より効果が出やすくなります。

 

代表的なものでいうと、以下のようなものがあります。

・ベンチプレスの前に体幹
・スクワットの前にお尻のインナーマッスル
・サイドレイズの前に肩のインナーマッスル
・ロウイングの前に背中のインナーマッスル

これらが全てではないですが、ウエイトやマシンを使う前に体幹メニューを組み込むことで体幹が安定し、狙った部位に効かせることができるわけですね。
体幹トレーニング自体は数分で終わるので、ぜひ取り入れてみてください。

 

③腹筋は最後の追い込みで入れる

 

お腹周りの脂肪を落としたい方は多いと思いますが、残念ながら腹筋ばかりやってもお腹周りの脂肪は落ちません。
体幹を安定させる目的であれば良いですが、腹筋は大きな筋肉ではないので、最後に追い込むほうが効果的です。

 

また、腹筋はどの種目でも使う部位なので、あえて選択的なトレーニングの数を増やさなくても良いのも理由の1つです。
それよりも次章で解説するような、同じ腹筋でも連動性のあるトレーニングをしたほうが良いでしょう。

 

【部位別】筋トレの基本的な順番

 

 

ここでは、「胸」「お尻(下半身)」「背中」の3点に焦点を当てて、どのような順番でトレーニングするべきかを解説していきます。

 

胸のトレーニング

 

胸を鍛える有名なマシンとしては、「チェストプレス」と「ペックフライ」があります。
今回はこの2つのマシンを用いて、どの順番でトレーニングを行えばより結果を出しやすいかについて解説してきます。

①体幹メニュー
②チェストプレス
③ペックフライ
④トライセップ

それぞれのメニューについて、簡単に解説していきます。

 

胸トレ①「体幹メニュー」

 

ここでは胸郭を広げる体幹トレーニングを紹介します。

 

①四つ這いの姿勢で片手を耳につき、対角の足を伸ばす

 

 

②その状態から胸を閉じる

 

 

③ついているほうの手で地面を押しながら、胸を開く

 

 

④この動作を10回繰り返す

 

ちなみに、後ろから見た時の写真が以下です。

 

 

ポイントは、「伸ばした足の膝を伸ばすこと」「ついている側の手で地面を押しながら開くこと」です。

左右10回ずつを目安に行いましょう。

 

胸トレ②「チェストプレス」

 

胸を鍛える多関節トレーニングである「チェストプレス」について解説します。

 

①肩甲骨を寄せ、胸を張った状態でバーを握る

 

 

②胸に空気を入れるイメージで息を吸いながら、バーをゆっくりと戻す

 

 

③お腹に力を入れながら息を吐き、バーを前に押す

 

 

④この動作を10回繰り返す

 

ポイントは、「肩甲骨を寄せたまま行うこと」「腹筋をしながら行うこと」です。
10回3セットを目安に行いましょう。

 

胸トレ③「ペックフライ」

 

胸を鍛える単関節トレーニングである「ペックフライ」について解説します。

 

①肩甲骨を寄せ、胸を張った状態でバーを軽く握る

 

 

②肩甲骨を寄せたまま、閉じれる範囲までバーを閉じる

 

 

③息を吸いながら、胸の張りを感じるところまで開く

 

 

④この動作を10回繰り返す

 

ポイントは、「肩甲骨を寄せたまま行うこと」「肩がすくまないこと」です。
10回3セットを目安に行いましょう。

 

お尻(下半身)のトレーニング

 

お尻を鍛える有名なマシンとしては、「レッグプレス」があります。
また、下半身の大きな筋肉である大腿四頭筋とハムストリングスを鍛えるマシンに「レッグエクステンション」と「レッグカール」があります。

 

今回はこの3つのマシンを用いて、どの順番でトレーニングを行えばより結果を出しやすいかについて解説してきます。

①お尻のインナーマッスル
②レッグプレス
③レッグエクステンション
④レッグカール

それぞれのメニューについて、簡単に解説していきます。

 

お尻(下半身)トレ①「クラムシェル&アブダクション」

 

お尻のインナーマッスルを鍛える「クラムシェル」と「アブダクション」について解説します。

 

①膝の上にチューブをつけて横向きに寝る

 

 

②かかとを合わせたまま膝を開く。この時、骨盤を止めておく

 

 

③この動作を10回繰り返したら、そのまま上の足を伸ばす

 

 

④上半身を固定したまま、上の足を真っ直ぐ上げる

 

 

⑤この動作を10回繰り返す

 

常にお尻を意識しながら行いましょう。

 

お尻(下半身)トレ②「レッグプレス」

 

お尻を鍛える多関節トレーニングである「レッグプレス」について解説します。

 

①足を股関節幅に開いてプレートに乗せる

 

 

②お腹から押すイメージでプレートを押す。※膝は伸ばし切らない

 

 

③膝を開きながら少しゆっくり戻す

 

 

④この動作を10回繰り返す

 

ポイントとしては、「膝を開いたまま行うこと」「お腹(腹筋)を使って押す意識を持って行うこと」です。
10回3セットを目安に行いましょう。

 

お尻(下半身)トレ③「レッグエクステンション」

 

もも前を鍛える単関節トレーニングである「レッグエクステンション」について解説します。

 

①椅子に座り、足首でバーを挟む

 

 

②上体(体幹)を固定したまま、膝を伸ばしてバーを持ち上げて

 

 

③もも前の筋肉を意識しながらゆっくり下ろす

 

 

④この動作を10回繰り返す

 

ポイントとしては、「上体(体幹)を固定すること」「膝を伸ばし切ること」です。
10回3セットを目安に行いましょう。

 

お尻(下半身)トレ④「レッグカール」

 

もも裏を鍛える単関節トレーニングである「レッグカール」について解説します。

 

①椅子に座り、膝を伸ばしてバーに足を乗せる

 

 

②足首を90度に保ったまま、膝を曲げてバーを後ろに下げる

 

 

③もも裏の筋肉を意識しながらバーをゆっくり上げる

 

 

④この動作を10回繰り返す

 

ポイントとしては、「足首を寝かさないこと」「上体を固定しておくこと」です。
10回3セットを目安に行いましょう。

 

背中のトレーニング

 

背中を鍛える有名なマシンとしては、「ラットプルダウン」と「ロウイング」があります。
今回はこの2つのマシンを用いて、どの順番でトレーニングを行えばより結果を出しやすいかについて解説してきます。

①背中のインナーマッスル
②肩のインナーマッスル
③ラットプルダウン(ロウイング)
④ロウイング(ラットプルダウン)

それぞれのメニューについて、簡単に解説していきます。

 

背中トレ①「ハーフポール肩甲骨エクササイズ」

 

背中のインナーマッスルを鍛える「ハーフポール肩甲骨エクササイズ」について解説します。

 

①うつ伏せの状態で手を伸ばし、ハーフポールを持つ

 

 

②上体を起こしたまま肘を曲げ、ハーフポールを首の後ろに持ってくる

 

 

③背中の筋肉を意識しながらハーフポールを斜め上に持ち上げる

 

 

④この動作を10回繰り返す

 

ポイントとしては、「上体を少し浮かせておくこと」「ハーフポールを斜め上に持ち上げること」です。
10回3セットを目安に行いましょう。

 

背中トレ②「肩のインナーマッスル」

 

背中のトレーニングを行う前に、肩のインナーマッスルを鍛えておくことで肩関節が安定し、効かせたい部位(背中)により効かせることができます。
このトレーニングは、胸のトレーニング前に組み込むのも効果的です。

 

①ダンベルを両手に持ち、脇を閉める

 

 

②脇を閉めたまま、手を外に開く

 

 

③この動作を10回繰り返したら、肘を肩の高さまで上げる

 

 

④肘を動かさずに、肘から上を持ち上げる

 

 

⑤この動作を10回繰り返したら、手を下ろして軽く開く

 

 

⑥その状態から、肩が動かない範囲で手を外に開く

 

 

⑦この動作を10回繰り返す

 

肩のインナーマッスルを鍛えるトレーニングでは、全て肩甲骨面を意識して行いましょう。

スキャプラプレーン(肩甲骨面)とは、関節を包む関節包や靭帯のバランスが安定し、上腕骨への回旋ストレスがかかりにくい機能的なポジションのことです。

とても簡単にいうと、肩関節がしっかりハマるポジションですね。

 

それぞれの動作を10回ずつ行いましょう。
苦手なほうがあれば、そちらを重点的に行うのも良いです。

 

背中トレ③「ラットプルダウン」

 

背中を鍛えるマシンである「ラットプルダウン」について解説します。

 

①少し上体を後ろに倒して状態でバーを持つ

 

 

②肘を脇に近づけるイメージでバーを引く

 

 

③肩甲骨周りを意識しながらゆっくりバーを戻す

 

 

④この動作を10回繰り返す

 

ポイントとしては、「戻す時も肩甲骨周りを意識すること」「肩がすくまないこと」です。
10回3セットを目安に行いましょう。

 

背中トレ④「ロウイング」

 

背中を鍛えるマシンである「ロウイング」について解説します。

 

①胸を張り(胸をプレートに押し付けて)、バーを軽く握る

 

 

②胸をプレートに押し付けながら、脇を閉めながらバーを引く

 

 

③背中の筋肉を意識しながらバーをゆっくり戻す

 

 

④この動作を10回繰り返す

 

ポイントとしては、「胸をプレートから離さないこと」「戻す時も背中の筋肉を意識して行うこと」です。
10回3セットを目安に行いましょう。

 

まとめ:筋トレは大きな筋肉から始める

 

 

最後に本記事のまとめです。

筋トレの順番まとめ

・基本的には大きな筋肉から鍛える
・ただし、大きな筋肉の前にインナーや体幹を入れたほうが効果が出やすくなる
・代謝を上げる観点から見ても、下半身を中心に鍛えるほうが効率良い

もちろん全ての人に当てはまるわけではありませんが、基本的には上記のことを意識すれば、トレーニングの質は上がります。
すなわち、これはトレーニングの効果が出やすくなるということです。

 

くびれ美人のパーソナルトレーニングでも、実際にこのような順番を意識して行っているので、かなり信頼性は高いと言えます。

 

ぜひ、本記事の内容を今後のトレーニングに活かしてください。

 

くびれサーキットトレーナー 上原道矢

 

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