LESSON COLUMNレッスンコラム
2020.02.26
ストレッチポールを使ったトレーニングメニュー【万能ツールです】
ストレッチポールを単なるほぐしの道具だと思っていませんか?
体をほぐすツールとして知られるストレッチポールですが、実はほぐす以外にも様々な使い方があります。
タイトルにもある通り、ストレッチポールをうまく活用することでトレーニングの幅が広がります。
家にただ置いてあるだけのストレッチポールを少し工夫して使うことで、これからのトレーニングがより楽しくなることでしょう。
本記事では、難易度や鍛える部位に分けて解説しているので、自分の目的や強さに合わせて出来るものからチャレンジしてみてください。
目次
ストレッチポールとは?
ストレッチポールはアメリカで用いられていた円柱形のツールにヒントを得て、日本のアスレティックトレーナーが開発したエクササイズのツールです。
基本的には長さが1mほどの円柱形のポールのことを指しますが、他にも155cm以下用の少し短めのポールと写真にあるハーフカットされたストレッチポールがあります。
ポールの上に寝転がってゴロゴロするだけで、背中や肩、腰周りを簡単にほぐすことのできるツールとして有名です。
しかし最近では、アスリートや医療現場でも使用されることが多く、トレーニングだけでなく様々な目的で使われています。
ストレッチポールを上手く活用して、目的を達成しましょう。
ストレッチポールの基本的な使い方と注意点
ストレッチポールの基本的な使い方と注意点において、頭に入れておいていただきたいことだけ解説します。
ストレッチポールの基本的な使い方
まずはストレッチポールの基本的な使い方です。
①ストレッチポールの端にお尻から乗る。(縫い目のある方をお尻側にするのが良いとされています)
②そこから腰、背中、頭の順番に全体をストレッチポールに乗せる。
特に時間などはないですが、30秒ほど乗るだけでもリラックス効果が得られます。
降りる際には、横にゴロンとなるように降りましょう。
ストレッチポールの注意点
乗るだけでもリラックス効果や姿勢改善効果があるストレッチポールですが、注意点があります。
それが下記の2つです。
・仰向けで乗っていた場合は急に立ち上がらない
仮にストレッチポールを使うことで特定の部位に痛みが出た場合には、すぐに使用を中止しましょう。
また、ストレッチポールに仰向けで乗ることが多いと思いますが、この状態では副交感神経が優位になり、体がリラックスします。
そのため、急に立ち上がると貧血を起こしてしまうこともあるので、起き上がる際には横にゴロンと倒れるようにしましょう。
ストレッチポールを使ったトレーニングメニュー
では早速、本記事の最大の読みどころである「ストレッチポールを使ったトレーニングメニュー」を紹介します。
冒頭でも書きましたが、難易度もつけているので参考にしてください。
お腹のトレーニング
まずは、お腹周りを狙ったトレーニングです。
四つん這い腹筋(難易度★☆☆)
このトレーニングは、主にお腹(腹直筋)に効きます。
①肩の下に手、股関節の下に膝がくるようにし、両手をストレッチポールに乗せる。
②お腹に力を入れたまま片手を前に伸ばす。
③3秒ほどキープしたら手をストレッチポールに戻す。
④次は逆の手を前に伸ばす。
この動作を左右5回ずつ、計10回繰り返しましょう。
斜め四つん這い腹筋(★★☆)
このトレーニングは、主にお腹(腹直筋)とお尻(大臀筋)に効きます。
①ストレッチポールを斜めにした状態で、先ほどと同様に肩の下に手、股関節の下に膝を置く。
その際に、対角の膝と手をストレッチポールに乗せ、ついていない方の手足を伸ばす。
②伸ばした手足を曲げながら、お腹の下で膝と肘をタッチする。
その際に、お腹を丸めるイメージで行うと腹筋に効きやすい。
③肘と膝をくっつけたら手足を伸ばす。その際、背中を伸ばすイメージで行う。
この動作を左右それぞれ10回3セットずつ行いましょう。
くびれエクササイズ(難易度★★☆)
このトレーニングは、脇腹の下(腹斜筋)に効きます。
①片方の膝を90度に曲げ、対角の手を曲げて耳につける。
その際、反対の手は地面に着き、挙げていない方の足は膝を曲げておく。
②手のひらで地面を押しながら、肘を膝の外側につけるように体を起こす。
※きつい方は、肘も地面に着けてOKです
この動作を左右それぞれ10回3セット行いましょう。
足の付け根+腹筋エクササイズ(難易度★★★)
このトレーニングは、足の付け根(腸腰筋)とお腹(腹直筋下部)に効きます。
①片手を上に伸ばし、両膝を90度くらいに曲げる。
その際、もう片方の手は地面につけておいておく。
②手をあげた側の対角の足を遠くに伸ばしていく。
その際、腰とストレッチポールの間に隙間ができないように腹筋に力を入れておく。
③お腹の力を抜かないまま伸ばした足を曲げて最初の位置に戻る。
この動作を左右それぞれ10回ずつ2セット行いましょう。
足上げプランク(難易度★★★)
このトレーニングは、主にお腹(腹直筋下部)に効きます。
①肩の下に肘を置き、両足の足首をストレッチポールに乗せる。
②右足を持ち上げてストレッチポールから離す。
③しっかりと足を持ち上げたらゆっくりと足を下ろすし、反対の足を持ち上げる。
この動作を左右5回ずつ、計10回行いましょう。
バリエーションとしては、同じ方向を5回ずつや終わった後にそのままキープなどがあります。
足引き上げプランク(難易度★★★)
このトレーニングは、主にお腹(腹直筋下部)と脇腹(腹斜筋)に効きます。
①肩の下に肘を置き、両足の足首をストレッチポールに乗せる。
②お腹の位置を変えないように足を横に引き上げる。
③次は反対の足を横に引き上げる。
この動作を左右5回ずつ、計10回行いましょう。
先ほどのトレーニングと組み合わせるのもオススメです。
背中のトレーニング
次は、背中を狙ったトレーニングです。
うつ伏せプルダウン(難易度★☆☆)
このトレーニングは、主に背中(広背筋)に効きます。
①うつ伏せの状態で肘を伸ばしたままストレッチポールを外側から持つ。
②肘を伸ばしたままストレッチポールを持ち上げる。
その際、顔も一緒に上がらないように注意する。
この動作を10回3セット行いましょう。
うつ伏せプルプッシュ(難易度★☆☆)
このトレーニングは、主に背中(広背筋と僧帽筋)に効きます。
①うつ伏せの状態でストレッチポールを外側から持ち、首の後ろに置く。
②顎が上がらないことを意識しながら、ストレッチポールを斜め上方向に持ち上げる。
この動作を10回3セット行いましょう。
肩甲骨エクササイズ(難易度★★☆)
このトレーニングは、主に背中(広背筋)に効きます。
①うつ伏せの状態で、手を45~60度に開いてストレッチポールに乗せる。
②肩甲骨を斜め下に寄せるイメージで、ストレッチポールを後ろにスライドさせる。
その際、出来るだけ肘が曲がらないように意識する。
③肩甲骨が寄ったところで片手を上げる。
④1秒ほどキープしたら下げる。
⑤次は逆の手を上げる。
⑥先ほどと同様に1秒ほどキープしたら下げる。
⑦体を下げながらストレッチポールを前にスライドさせる。
この動作を10回2セット行いましょう。
お尻のトレーニング
次は、お尻を狙ったトレーニングです。
ランジ(難易度★★☆)
このトレーニングは、主にお尻(大臀筋)と背中(広背筋)、脇腹(腹斜筋)に効きます。
①足を肩幅に開き、ストレッチポールを肩の上に乗せる。
②足を大きく踏み出してかかとから着地する。
その際、軸足のお尻に力が入っていることを確認する。
③踏み出した足側に体を捻る。
その際、左側の脇腹に力が入っていることを確認する。
④捻った状態から真上にポールを持ち上げる。
その際、背中に力が入っていることを確認する。
⑤しっかりと肘が伸びたらストレッチポールを肩に戻す。
⑥かかと重心のまま体を真正面に向ける。
⑦かかとで地面を蹴って最初の位置に戻る。
この動作を左右それぞれ10回2セット行いましょう。
オーバーヘッドスクワット(★★☆)
このトレーニングは、主にお尻(大臀筋)と内もも(内転筋群)、背中(広背筋)に効きます。
①足を肩幅の1.5倍ほど開き、肘を伸ばしてストレッチポールを外側から持つ。
②膝が内側に入らないことを意識しながら、ももと地面が並行になるまでしゃがむ。
その際、肘はしっかりと伸ばしたままにしておく。
この動作を10回2セット行いましょう。
内もものトレーニング
次は、内ももを狙ったトレーニングです。
ワイドスクワット(難易度★☆☆)
このトレーニングは、主に内もも(内転筋群)に効きます。
①足を肩幅の1.5倍開き、ストレッチポールに手を乗せる。
②膝が内側に入らないことを意識しながらストレッチポールと肩が同じ位置になるまでしゃがむ。
この動作を10回3セット行いましょう。
内もも+脇腹エクササイズ①(難易度★★☆)
このトレーニングは、主に内もも(内転筋群)と脇腹(腹斜筋)に効きます。
①上側の足を90度に曲げてストレッチポールに乗せる。
②足がストレッチポールから離れないように、下側の足を上げながら体も横に上げる。
できれば手で内ももをタッチする。
この動作を10回2セット行いましょう。
出来る方は足を地面につけずに連続で行い、きつい方は1回1回地面を足につけてOKです。
内もも+脇腹エクササイズ②(難易度★★☆)
このトレーニングは、主に内もも(内転筋群)と脇腹(腹斜筋)に効きます。
①膝と足の内側でストレッチポールを挟み、上側の手を耳に当てる。
②下側の手を使いながら足と体を同時に持ち上げる。
この動作を10回2セット行いましょう。
先ほどのトレーニングと同様に、出来る方は足を地面につけずに、きつい方は足をつけてOKです。
さらに、もっと負荷をかけたい方は、下側の手のひらだけを地面につけて行ってください。
内もも+足の付け根エクササイズ
このトレーニングは、主に内もも(内転筋群)と足の付け根(腸腰筋)に効きます。
①ストレッチポールの端に膝立ちになり、手は肩の真下から少し前に置く。
②お尻を後ろに引きながら体を徐々に起こしていく。
この状態を10秒ほどキープしましょう。
胸のトレーニング
最後は、胸を狙ったトレーニングです。
腕立て伏せ(難易度★★☆)
このトレーニングは、主に胸(大胸筋)とお腹(腹直筋)に効きます。
①膝を股関節の真下から少し後ろに置き、手は肩幅の1.5倍に開いてストレッチポールに乗せる。
②腰が反らないようにお腹に力を入れたまま胸をストレッチポールに近づけるように、腕を曲げて体を落とす。
③寄った肩甲骨を外に離すような意識でしっかりと肘が伸びきるまで体を起こす。
この動作を10回2セット行いましょう。
ポイントは「腰が反らないこと」です。
お腹に力を入れたまま行うことで腹筋のトレーニングにもなるので、若干お腹を丸めるくらいで行ってください。
また、出来る方は足を伸ばした通常の腕立て伏せで行いましょう。
ストレッチポールを使ったストレッチメニュー
上ではストレッチポールを使ったトレーニングを紹介しましたが、ここでは「ストレッチポールを使ったストレッチメニュー」を紹介します。
『ここは重要!』というポイントに絞って解説するので、自分の体の状態と照らし合わせながら読んでください。
もも前ストレッチ
①両肘で体を支えて、ストレッチする方のもも前をストレッチポールに乗せる。
②体を前後に動かし、痛気持ちいいポイントをストレッチする。
外ももストレッチ
①肘と手で体を支えて、ストレッチする方の外ももをストレッチポールに乗せる。
②体を前後に動かし、痛気持ちいいポイントをストレッチする。
内ももストレッチ
①両肘で体を支えて、ストレッチする方の内ももをストレッチポールに乗せる。
②体を前後に動かし、痛気持ちいいポイントをストレッチする。
ふくらはぎストレッチ
①お尻をついた状態でストレッチする方のふくらはぎをストレッチポールに乗せる。
②手で体を支えながら前後させ、痛気持ちいいポイントをストレッチする。
脇腹ストレッチ
①横向きの状態で脇の下をストレッチポールに乗せる。
②体を前後させて、痛気持ちいいポイントをストレッチする。
体を浮かす角度によって痛さが変わるので、痛すぎないように調整しながら行ってください。
結論:ストレッチポールは万能ツール
長くなりましたが、本記事の結論は「ストレッチポールは万能ツール」ということです。
ストレッチはもちろんのこと、トレーニングにも使えるのでアスリートが愛用しているのも頷けますね。
また、ストレッチポールは縦長なので収納にも困りません。
これは「買ったはいいけど収納に困って結局使わなくなる」といった、トレーニンググッズあるあるを防ぐことにつながります。
これまではストレッチやリラックスする時にしか使っていなかったストレッチポールが、本記事を読み終えたことで万能ツールに変わりました。
ぜひ自分の目的に合ったトレーニングを行い、理想のカラダを実現させましょう。
くびれサーキットトレーナー 上原