LESSON COLUMNレッスンコラム
2020.04.14
【重要】プロテインの最適な摂取頻度と摂取量【現役トレーナーが解説】
トレーニーやダイエッターなら一度は耳にしたことがある「プロテイン」。
しかし、プロテインの詳しい知識については理解していないという方も多いのではないでしょうか?
本記事では、『プロテインの摂取頻度と摂取量』に焦点を当て、ダイエッター向けにプロテインについて徹底解説します。
読み終える頃には、プロテインに対する正しい知識を身につけ、自分の目的達成に一歩近づくことができるでしょう。
目次
プロテインの基礎知識
まず、プロテインとは「タンパク質」のことです。
そして筋肉だけではなく、骨や内臓、髪の毛、皮膚、爪など、体を構成する多くの部位がタンパク質からできています。
つまり、私たち人間の体の大部分はタンパク質と水分によって構成されていると言っても過言ではありません。
また、スポーツや筋トレをする方は、体を動かさない方よりもタンパク質が枯渇しやすいため、より多くのタンパク質を摂取する必要があります。
食事でタンパク質を摂取できればプロテインを摂取する必要はありませんが、多くの場合、食事だけで1日に必要なタンパク質量を摂取できていません。
ここで登場するのが、『プロテイン』です。
②カゼインプロテイン
③ソイプロテイン
プロテインの種類としては、主に上記の3つが挙げられます。
(他にも種類がありますが、この3つを理解すればOKです)
では、それぞれのプロテインの特徴について解説します。
ホエイプロテイン
ホエイとは“乳清”のことで、牛乳を原料とし、体内への吸収が速いことが主な特徴です。
また、ホエイプロテインはさらに2つの種類に分けられます。
それぞれ特徴があるので、ご自身に合ったプロテインを摂取して下さい。
ホエイ・プロテイン・コンセントレート(WPC)
ヨーグルトのふたを開けると、ヨーグルトの上に上澄み液があるのを見た人ことがある方も多いのではないでしょうか?
それこそがホエイです。
そして、この上澄み液から水分を抜き精製したものがWPCとなります。(タンパク質含有量は約80%)
製法が比較的簡単なため安価なのが特徴で、市場に多く出回っているホエイプロテインはこのWPCです。
コスパの観点から見ると、WPCがオススメと言えるでしょう。
ホエイ・プロテイン・アイソレート(WPI)
WPCには乳糖や乳脂、灰分などが含まれるが、それらを取り除いてタンパク含有量をさらに高めたものがWPIです。(タンパク質含有量は約90%)
また、タンパク質以外を極力取り除いているため、脂質や乳糖も1%未満しか含まれません。
そのため、お腹をくだしやすい方やカロリー摂取を抑えたい方にオススメなのも、このWPIです。
※ただし、牛乳と混ぜるとお腹をくだす可能性があるので注意して下さい。
カゼインプロテイン
ホエイと同じく、牛乳を原料としています。
ホエイに比べると吸収が緩やかですが、その分腹持ちが良いことが主な特徴です。
カゼインは、運動後の疲労回復を促進するアミノ酸“グルタミン”を含んでいます。
ですので、疲労回復を望むためにも就寝前に摂取するのがオススメです。
ソイプロテイン
大豆を原料とし、吸収は緩やかです。
また、満腹感が続きやすいことが大きな特徴です。
大豆イソフラボンは美肌効果や骨強化、脂肪燃焼(脂質代謝の改善)を期待できます。
そのため、ソイプロテインは女性にオススメのプロテインと言えるでしょう。
実際に私もお客様には、このソイプロテインをオススメしています。
特徴に応じたプロテインを飲むタイミング
3つのプロテインについて解説しましたが、それぞれの特徴に応じたタイミングで摂取することが望ましいです。
間食→ソイ
運動直後→ホエイ
就寝前→カゼイン
それぞれのプロテインを摂取するタイミングは、おおよそ上記の通りです。
せっかく運動したのに、吸収の遅いソイを飲んでもあまり意味がないので、これは頭に入れておきましょう。
プロテインの最適な摂取頻度
プロテインの摂取頻度はよく聞かれる質問ですが、結論から言うと『毎日摂取した方が良い』です。
このように言うと、「そんなに筋肉つけたくないです!」という方がいらっしゃるかもしれませんが、プロテインを摂取したからと言って筋肉がつくわけではありません。
筋トレを毎日しない方でも毎日摂取した方が良い理由は、筋肉が回復するには2~3日間必要で、その間もタンパク質を摂取することで回復を手助けできるからです。
トレーニングをした日はもちろん、トレーニングがない日でもプロテインを摂取するようにしましょう。
運動前後のプロテイン摂取効果
これは説明不要かもしれませんが、筋肉を構成するタンパク質の合成が、運動を終えてから数時間のうちに最も活発に行われるため、運動後30分以内に摂取することが望ましいとされています。
これをトレーニング業界では「ゴールデンタイム」と呼び、30分が過ぎてしまうと吸収率が悪くなってしまいます。
ゴールデンタイムは筋肉へ血流が多く流れ、内臓の吸収機能が低下しがちなので、運動後20~30分程度で摂取することが望ましいとされています。
ちなみに、運動後にプロテインを摂取した方が良いということは様々なメディアで言われていますが、実は運動前にもプロテインを摂取した方が良い場合があります。
それが、『運動前に空腹である場合』です。
空腹のままトレーニングを行うと、体の栄養素が欠乏しているため大切な筋肉を分解されてしまいます。
そうすると、トレーニング効果が低くなってしまうため、空腹の場合はプロテインを摂取するのが望ましいでしょう。
就寝前(夜)のプロテイン摂取効果
就寝前にプロテインを摂取するのが効果的な理由は、成長ホルモンについて考えると理解できます。
睡眠をしている間、人間の体には多くの成長ホルモンが分泌されています。
そして、成長ホルモンの特徴は「タンパク質の吸収を促すこと」です。
つまり、成長ホルモンが活発に機能している時にタンパク質を補うことで、さらにタンパク質の吸収を高めることができるのです。
就寝前のプロテイン摂取タイミング
就寝前にプロテインを摂取する場合、就寝の30分~1時間前を目安にすると良いでしょう。
理由は2つあり、1つ目は「就寝直前の飲食は胃に負担がかかるため」、2つ目は「成長ホルモンが分泌されるピークに合わせるため」です。
水やお茶と違いプロテインは、栄養素をしっかり含んでいます。
そのため、寝る直前に摂取してしまうと、休もうとしている胃や腸に負担をかけてしまうことになります。
また、睡眠中に多くの成長ホルモンが分泌されていることを上で書きましたが、寝ている間ずっと分泌されているわけではありません。
プロテインは摂取してから体に吸収されるまで時間がかかります。
ですので、就寝する時間から逆算してその30分~1時間前に摂取しておくことで、成長ホルモン分泌のピークに合わせることができます。
就寝前のプロテインは太るのか?
「寝る前にプロテインを飲むと太る」
「就寝前のプロテイン摂取はダイエットに逆効果」
↑
これらの言葉も耳にしたことがある方が多いかもしれません。
結論から言うと、『プロテインを摂取することでは太りません。』
もちろん、可能性としては太ることもありますが、基本的にはないと言えるでしょう。
なぜこのような表現をするのかと言うと、消費カロリーと摂取カロリーのバランスが悪いと太ってしまうので、その日のカロリーバランスにもよるからです。
つまり、就寝前にプロテインを摂取するかどうかは、その日の食事やカロリーバランスを考慮することが大切なのです。
起床後(朝)のプロテイン摂取効果
朝は、体の中から水分や栄養素などが枯渇してしまっている状態です。
筋肉を大きくする役割を持つタンパク質も同様に枯渇しています。
ですので、プロテインを摂取することで効率的なからだづくりに役立つと言えるでしょう。
また、睡眠中に多く分泌される成長ホルモンは、タンパク質を利用して体の修復を行っています。
つまり、朝は体の疲れと一緒にタンパク質もなくなっているため、補う必要があるのです。
起床後のプロテイン摂取タイミング
起床後のプロテイン摂取に目安はありませんが、出来るだけ早く摂取するのが望ましいです。
上でも書いたように、プロテインが枯渇している状態なので、この状態を少しでも短くすることが重要になります。
ただし、「起床後すぐは喉を通りづらい」「朝起きてすぐは飲めない」ということもあります。
その場合、水分を摂取して体が目覚めた後にプロテインを摂取するか、あるいはぬるま湯やオレンジジュースと混ぜて摂取すると良いでしょう。
朝食の置き換えは良いのか?
基本的には、食事の置き換えにプロテインを摂取するのはNGです。
なぜなら、食事からの方が栄養素を吸収しやすいからです。
ですが、あまり時間がなく朝食代わりに摂取する場合もあると思います。
そういった場合は、フルーツやパンなどを同時に摂取しましょう。
また、ビタミンやミネラルがバランスよく含まれているプロテインを摂取すると良いでしょう。
プロテインの最適な摂取量
繰り返しになりますが、1日に摂取すべきタンパク質量は「体重×1.5~2.0g」です。
これを体重50kgの人が3食で摂取するとなると、1食あたり30g以上のタンパク質を摂取する必要があり、これはかなり困難だと言えるでしょう。
(鶏肉100gで約20gなので、3食で500g分を摂取する必要があります。)
その足りないタンパク質を補うのが『プロテイン』です。
効果的なプロテインの摂取量
レジスタンス運動直後に0、10、20、40gのプロテインを摂取して筋タンパク質合成速度を測定した研究があります。
このことから、市販のプロテインに書かれている「20g」が適切であると言えるでしょう。
プロテインを摂取すると腎臓が悪くなるのか?
少し前までは「プロテインを過剰摂取すると腎臓に悪影響」と言われていましたが、最新の研究では「プロテインを過剰摂取しても腎臓に悪影響を与えない」といった結論が出されました。
ですが、何でもそうですが摂り過ぎは良くないです。
プロテイン(タンパク質)を摂取し過ぎるとということは、他の栄養素の摂取量が少なくなるということなので、これはPFCバランスを考えた時にも望ましいとは言えません。
F:脂質=20〜30%
C:炭水化物=50〜65%
厚生労働省がガイドラインで掲げているPFCバランスは上記の通りで、この範囲内で栄養素をバランス良く摂取することが大切なのです。
プロテインを摂取する時の注意点3つ
プロテインを摂取する際には、3つ注意点があります。
②タイミング
③種類
繰り返しになる部分もありますが、ここを意識しないまま摂取しても効果が出にくいので注意しましょう。
注意点①:基礎知識
プロテインを摂取する必要はありますが、基本的には食事から摂取することが望ましいです。
ですので、「食事の代わりにプロテインを飲む」は、基本的にNGです。
あくまでも『補助食品』という意識を持ちましょう。
また、プロテインは筋肉増強剤ではなく、タンパク質の合成速度を速める働きであったり、筋肉の回復速度を早める働きを持っているだけです。
「プロテインを飲むと筋肉がモリモリになる」ということはなく、またプロテインを飲みすぎると太るということもありません。
ここも間違えてはいけないポイントです。
注意点②:タイミング
基本的に、プロテインはトレーニング後に摂取します。
ですが、トレーニング前に空腹の場合や食事でどうしてもタンパク質量が足りない場合は、その都度摂取する必要があります。
ご自身のライフスタイルに合わせて、柔軟に変化させていく必要があると言えるでしょう。
注意点③:種類
プロテインを摂取するタイミングと同時に大切なのが、「種類」です。
トレーニング後に吸収の遅いソイプロテインを摂取しても効果が出にくいように、それぞれのタイミングで適切な種類のプロテインを摂取する必要があります。
間食→ソイ
運動直後→ホエイ
就寝前→カゼイン
それぞれのプロテインを摂取するタイミングは、おおよそ上記の通りです。
「どの種類のプロテインを飲めば良いか分からない…」という方は、上記を参考にして下さい。
【まとめ】プロテインは毎日適量飲むべき
プロテインの基礎知識から摂取頻度や摂取量など、細かい部分まで解説しましたが、自分がどのプロテインをどのくらい摂取する必要があるのか理解していただけましたか?
このテーマは、実際にくびれサーキットにご来店されるお客様によく質問される内容ですので、多くの方が悩んでいることだと思います。
プロテインにあまり良いイメージを持っていない女性の方が多いのも理解していますし、筋肉がモリモリになりたくないと思われているのも分かります。
ですが、本記事を読んで分かったように、プロテインは女性こそ摂取すべきです。
減量を目的にするにせよ、増量を目的にするにせよ、プロテインは必要不可欠と言って良いでしょう。
基本的には毎日適量摂取するのが望ましいです。
自分に合ったプロテインを見つけて、理想の体を手に入れましょう!
くびれサーキットトレーナー 上原