LESSON COLUMNレッスンコラム
2021.07.31
ダイエット中にフルーツを食べる際の注意点3つ【甘いものOKです】
「果物はダイエットの敵だ!」
「私はフルーツダイエットで痩せました!」
こういったことをよく耳にしますよね。
果物がダイエットに向いているか、それとも向いていないか。
これは長い間されている議論ですが、今回の記事でバシッと結論を出します。
記事を読み終わる頃には、正しい知識を身につけてダイエットを成功させることができるので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
果物が太ると言われている原因
果物が太ると言われる原因は、ズバリ「果糖」です。
そんな果糖ですが、あなたが思っているより悪者ではないかもしれません。
ということで、まずは果糖の働きから見ていきましょう。
果糖の働き
炭水化物は構成している単糖の数が1個のものを単糖類、2個のものを二糖類、2~10数個のものを少糖類、それ以上のものを多糖類と言います。
糖分の代表例としては、果糖・ブドウ糖・ショ糖の3つが挙げられます。
このうちショ糖は二糖類で、果糖とブドウ糖は単糖類です。
例えば、ブドウ糖は体全体の細胞で使われますが、果糖は主に肝臓と筋肉、特に肝臓で使用されます。
この他にもいくつか違いがありますが、ここでは果糖に焦点を当てて解説しますね。
果糖はGI(グリセミックインデックス)値が低いと考えられ、糖尿病の食事療法に活用できるという説があります。
しかし、肝臓でのブドウ糖と果糖の代謝を考慮すると逆に悪影響がでるという説もあり、どちらの意見もある状態です。
果糖は悪者なのか?
そんな果糖ですが、実は悪者ではないという意見のほうが強いです。
例えば、キャンベラ大学の実験⑴⑵。
この実験では、以下の2つのことを調べています。
②定期的に果糖を摂ってしばらくしてから体がどう反応するか?(14〜70日ほど)
どちらのメタ分析でも、1回の実験で使われた糖質量は60〜70gほどです。
その結果、分かったことが次の通りです。
まずは、短期から。
・ブドウ糖を果糖に置き換えると、インスリンの分泌量も下がった
特に糖尿病の人ほどその効果は大きかった
・中性脂肪の変化は、果糖もブドウ糖も変わらなかった
次に、長期の結果。
その効果は、糖尿病の患者ほど大きかった
・果糖のほうが、HbA1cの数値を平均0.3%ほど下げた
・果糖を増やしたほうが、平均で1.4kgの体重減少が見られた
・中性脂肪やコレステロールには目立った差がなかった
ざっくり言うと、果糖のほうが中性脂肪を増やすということはなく、逆に果糖は糖代謝に良い影響を与えると考えられます。
もちろん、食べ過ぎは肥満のもとになるので、そこは注意が必要です。
【疑問】ダイエット中に果物を食べても良いのか?
結論から言うと、ダイエット中でも果物は食べてOKです。
その理由が、次の4つです。
②ビタミンB群やC群が豊富
③水分が多く含まれている
④痩せるデータが多い
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
①食物繊維が豊富
ダイエット中に積極的に摂りたいのが、食物繊維。
食物繊維の摂取量が多いほど痩せていくのは、ダイエット界では常識ですよね。
果物には、そんな食物繊維が豊富に含まれています。
代表的な果物に含まれる食物繊維の量が、以下の通りです。
・ぶどう…0.5g
・りんご…4.5g
・なし…2.7g
・スイカ…1.2g
・いちご…0.3g
このように、果物には食物繊維が豊富に含まれているんです。
果物を食べながら食物繊維が摂れるのは嬉しいですよね。
②ビタミンB群やC群が豊富
ビタミンB群は、身体を動かすタンパク質・脂質・糖質をエネルギーに変換する効果のある栄養素です。
・ビタミンB2…脂質
・ビタミンB6…タンパク質
とはいえ、ビタミンBにもたくさんの種類が存在します。
特に、脂肪燃焼に効果的なビタミンB2を意識して摂取すると良いですね。
ビタミンC群は、血管や肌・関節の原料となるコラーゲンを合成するのに必要な栄養素です。
ストレスや病気に対する免疫力を高めたり、抗酸化作用を得られたりする栄養素とも言われているので、健康的なダイエットに欠かせないものと言えますね。
③水分が多く含まれている
ダイエットを成功させるには、摂取カロリーを抑えることが大切です。
そのため、少ない量で満足するためにも、水分を多く摂りお腹を膨らませるのがオススメです。
多くの果物には、水分がたくさん含まれています。
そのため少量でも満足感を得やすく、食べ過ぎの防止に効果的です。
・グレープフルーツ
・もも
・夏みかん
・ラズベリー
上記のは、水分量が多い果物の代表例です。
ダイエットを効果的に行うためにも、果物を食べるときは、水分量がなるべく多いものを選べると良いですね。
④痩せるデータが多い
「果物を食べると太る」というイメージが強いですが、実はその逆なんです。
例えば、2011年にメキシコで行われた実験⑶。
この実験では、131人の肥満患者を半分に分けて、以下の食事をしてもらっています。
②果物をちゃんと食べるグループ:1日で果糖50〜70g分の果物を食べる
ちなみに、全員のカロリーは1500calに調整しています。
すると、次のような結果になったんですね。
②果物をちゃんと食べるグループ:4.19kgの減量に成功
カロリーコントロールをしているので、どちらも体重が減っています。
しかし、果物を食べたほうがより減量に成功しており、これは驚きの結果ですよね。
他の研究でも同じような結果がほとんどで、きちんとカロリーをコントロールさえすれば、果物は食べても太りません。
むしろ痩せる傾向にあることから、積極的に摂りたい食品と言えますね。
ダイエット中に果物を食べる際の注意点3選
果物に痩せる効果があることは間違いありませんが、何も気にせずバクバク食べて良いわけでもありません。
ダイエット中に果物を食べる際には、次の3つのことに注意しましょう。
これさえ意識すれば、果物が原因で太ることはなくなります。
注意点②:加工されたフルーツは食べない
注意点③:筋トレや有酸素運動を同時並行で行う
では、それぞれの注意点について、詳しく解説していきます。
注意点①:皮付きで食べれる果物は皮ごと食べる
果物を食べるときは、皮を剥いて食べることが多いですよね。
でも、実は皮にこそ栄養が詰まっているんです。
例えば、りんごの皮にはポリフェノールが豊富に含まれていたり、みかんの皮にはビタミンCやカロテン、キウイを皮ごと食べると食物繊維が約2倍摂れたりします。
みかんの皮はスライスして食べたり、キウイの皮についている柔毛が気になるときは、薄くスライスして食べたり軽く剃ってあげると食べやすくなります。
皮にも栄養素がたくさん含まれているので、皮ごと食べられる果物はそのまま食べてみてください。
注意点②:加工されたフルーツは食べない
「フルーツだからリンゴジュースでも良いよね?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、結論からいうと、これはNGです。
コペンハーゲン大学の研究⑷によると、生のリンゴを食べたグループは4週間後にHDLコレステロールが減少していたのに対し、りんごジュースを飲んだグループは4週間後にLDLコレステロールが増加していたのです。
これは、ジュースができる過程でポリフェノールや食物繊維が失われちゃうのが原因と言われています。
市販のフルーツジュースには、ここに果糖ブドウ糖液糖や保存料が入ってるので、さらに悪いものと言えるわけですね。
ドライフルーツもフルーツジュースも、あなたが思っている以上に体に悪影響を及ぼします。
ダイエットには不向きなので、体重を減らしたい方は避けるのがベストですね。
注意点③:筋トレや有酸素運動を同時並行で行う
ダイエット中に果物を食べる一番のメリットは、摂取カロリーを抑えて食べ過ぎを防ぐことです。
しかし、すでについている脂肪を食事で落とすのが難しいのも事実。
そこで重要なのが、有酸素運動です。
脂肪を落とす目的ならやはり有酸素運動がベストで、筋トレだけでは脂肪はなかなか落ちません。
とは言え、有酸素運動だけで脂肪を落とすのも難しいので、両方を上手く取り入れることをオススメします。
ダイエット中にオススメの果物Top5
ハーバード大学などが行った研究⑸では、「ずっと痩せてる人は、どんな野菜やフルーツを食べてるのか?」を調べています。
その結果も踏まえた、ダイエット中のオススメの果物が以下の通りです。
第4位:バナナ
第3位:りんご
第2位:いちご
第1位:ベリー
それぞれの果物が「なぜオススメなのか」について、詳しくみていきましょう。
第5位:グレープフルーツ
低糖質で食物繊維が豊富なグレープフルーツは、1食分の含有量が多く、より満足感が得られやすいです。
実際、栄養と代謝の学会誌「Nutrition & Metabolism」に掲載された研究では、『12週間にわたってグレープフルーツを食べた被験者は、平均して体重の7.1%の減量に成功した』と書かれています。
グレープフルーツに含まれる栄養素は、美容効果のあるビタミンCや疲労回復的に効果的なクエン酸だけではありません。
脂肪燃焼させると同時に、空腹を抑える働きを持つ「抗酸化ナリンゲニン」という成分が含まれています。
ダイエット以外も嬉しい効果があるグレープフルーツ。
積極的に摂りたい果物と言えますね。
第4位:バナナ
トレーニーの間では大人気のバナナ。
ご存知の通り、バナナには食物繊維とカリウムが豊富に含まれています。
糖質が他の果物と比べると高いですが、米類などに含まれる糖質と違って血糖値をゆっくり上げる働きがあります。
そのため、他の糖質とは違い、脂肪がつきにくいのが特徴です。
また、ショ糖・果糖・ブドウ糖がバランス良く含まれており、それぞれ吸収スピードが異なるため、エネルギーが長時間持続します。
間食にお菓子を食べるなら、代わりにバナナを食べたほうが良さそうですね。
第3位:りんご
りんごには、ペクチンと呼ばれる水溶性の食物繊維が含まれています。
このペクチンは、腸内で水に溶けて腸の粘膜を守ったり、善玉菌を増やす効果が期待できたりと、便秘の解消に効果的な栄養素です。
りんごはお腹に優しいフルーツなので、朝の空腹時のタイミングに食べるのがオススメ。
抗酸化作用のあるポリフェノールも豊富に含まれて、脂肪の吸収を抑える効果もあります。
また、りんごは皮と果肉の間にペクチン、皮にポリフェノールが多く含まれています。
先述したように、できる限り皮ごと食べるようにしましょう。
第2位:いちご
いちごは、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているので、脂肪の燃焼に効果的なフルーツと言えます。
先述したように、約90%が水分なので満腹感を得やすいのもポイントです。
また、糖質も低いため、たくさん食べても太りにくい果物と言えます。
ダイエット中に「甘いものが食べたいな」と思ったときに食べるのがオススメですね。
第1位:ベリー
食物繊維の含有量が圧倒的に多いベリー類。
ベリー類は糖分が低く、食物繊維や抗酸化物質が大量に含まれているため、健康に最適なフルーツと言えます。
また、ベリー類は脳にも良い影響を及ぼすと言われており、ダイエット目的ではなくても積極的に摂りたい食品です。
結論:正しく食べれば果物はダイエット成功のカギになる
最後に、本記事のまとめです。
・果物が太ると言われる原因は「果糖」である
・しかし、果糖は太るどころか、痩せるデータのほうが多い
・食べるときは、なるべく生のものを皮ごと食べる
・オススメの果物は、バナナ・りんご・ベリーなど
果物は正しく摂取すれば、あなたをダイエット成功へと導きます。
本記事で書かれていることを意識して、ぜひ大好きな果物を食べながらダイエットを成功させてください。
では、また次回の記事でお会いしましょう!
くびれサーキットトレーナー 上原道矢
⑴https://academic.oup.com/ajcn/article/106/2/506/4557617
⑵https://academic.oup.com/ajcn/article/106/2/519/4557618
⑶https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21621801/
⑷https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23271615/
⑸ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4578962/