LESSON COLUMN

2021.04.14

【初心者向け】自重筋トレ「ランジ」の効果と正しいやり方

【初心者向け】自重筋トレ「ランジ」の効果と正しいやり方

 

「ランジって、どんな効果があるの?」
「正しいやり方を教えてほしい」
「いろんなバージョンのランジについて知りたい」

 

こういった、悩みや疑問を持っていませんか?

 

本記事では、自重筋トレの中でもオススメの「ランジトレーニング」について解説していきます。

 

正しいやり方で行えば効果はありますが、間違ったやり方で行うと効果は出ません。
ぜひ本記事を参考に、効果の出るランジトレーニングを行ってください。

 

ランジトレーニングで鍛えられる部位

 

ランジトレーニングで鍛えられる部位

 

下半身を鍛えるトレーニングとして有名なのは、スクワットですよね。
これに対してランジトレーニングは、「お尻・太もも・ふくらはぎ」をバランス良く鍛えられるトレーニング方法で、特に初心者の方にオススメです。

 

まずは、ランジトレーニングによって鍛えられる部位から見ていきましょう。

 

大腿四頭筋(もも前の筋肉)

 

大腿四頭筋は太ももの前面にある大きな筋肉で、以下の4つの筋肉から構成されています。

・大腿直筋
・内側広筋
・外側広筋
・中間広筋

これら4つの筋肉は、膝の骨から股関節をつなげていて、日常生活における動作に大きく関わっています。
特に、内側広筋は弱まりやすく、歳をとるにつれてつまずきやすくなるのは、ここの筋力の低下が主な原因です。

大腿四頭筋の主な作用
・膝関節の伸展:膝から下を伸ばす動き
・股関節の屈曲:股関節を曲げる働き

日常的な動作では主に膝を伸ばす際に使われますが、体の安定性にも関与しており、ここを鍛えることで強い足腰が手に入ります。

 

筋トレをする上で安定感は欠かせないため、他の筋トレ種目の成果を高めるためにも鍛えておきたい部位ですね。

 

大臀筋(お尻の筋肉)

 

ランジトレーニングで最も使われる筋肉が、お尻の表面にある大臀筋です。
単一の筋肉としては最も体積が大きい大臀筋を鍛えることで、ヒップの筋肉が肥大して持ち上がり、ぷっくりとしたお尻になります。

 

股関節が15度以上伸展した時に鍛えられるので、歩くだけでは筋トレ効果はほとんどありません。
しかし、ランジを正しく行えば、効果的にお尻を鍛えることができます。

大臀筋の主な作用・股関節の伸展:脚を体より後ろに引く動き
・股関節の内転:股関節を内側に閉じる動き
・股関節の外転:股関節を外側に開く動き
・股関節の外旋:大腿を中心に、股関節を外側へ回旋する動き

ランジトレーニングでは、片足を前に踏み出した状態で体を支えます。
このとき、後ろ足のかかとを上げて体を踏ん張ることで、より大臀筋を鍛えられます。

 

慣れた方では、ダンベルやバーベルを持つのも効果的ですね。

 

ハムストリング(もも裏の筋肉)

 

ハムストリングは、太もも裏側の大きな筋肉の総称で、以下の3つの筋肉から構成されています。

・大腿二頭筋
・半膜様筋
・半腱様筋

全て股関節の寛骨から始まっており、大腿二頭筋・半膜様筋の終点は脛骨の内側、大腿二頭筋の終点は脛骨の外側です。(分かりやすいように表現しています)

ハムストリングの主な作用・膝関節の屈曲:膝を曲げる動き
・股関節の伸展:脚を後ろに引く動き
・股関節の内旋:大腿を中心に、股関節を内側へ回旋する動き
・股関節の外旋:大腿を中心に、股関節を外側へ回旋する動き

ハムストリングは、日常的な歩行やランニングなどで使われる筋肉です。

 

ランジトレーニングにおいては、大きく足を前後に開き、太ももと床が平行になるくらいまで腰を下ろすと、しっかり鍛えられます。

 

腸腰筋(足の付け根の筋肉)

 

腸腰筋は、人間の体の軸になる部分に付いている筋肉で、以下の3つの筋肉で構成されています。

・腸骨筋
・大腰筋
・小腰筋

3種類とも深層にある筋肉で、目視することはできません。
特に大腰筋は、約600ある筋肉の中で唯一、背骨と足を繋ぐ筋肉で、美脚に欠かせない筋肉です。

腸腰筋の主な作用・体幹の安定:背骨を固定する働き
・股関節の屈曲:体を前屈する動き
・股関節の外旋:股関節を外側へ回旋する動き

腸腰筋は、ランニングや階段を上がる動作、ボールを蹴る動作などに関連があります。

 

関連記事
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ランジトレーニングにおいては、体をまっすぐ保つよう意識することで、腸腰筋の筋トレ効果が高くなります。
体幹もしっかりと鍛えるなら、正しい姿勢で行うことが大切です。

 

内転筋群(内ももの筋肉)

 

内転筋とは、太ももの内側に存在する筋肉群のことで、以下の5つの筋肉が集まった筋肉の総称です。(※小内転筋を合わせて、6つと表記している記事もあります)

・恥骨筋
・大内転筋
・長内転筋
・短内転筋
・薄筋

主な働きは、骨盤の固定や姿勢の維持、安定した歩行などです。
私達の日常生活において使用頻度の高い、人体に欠かせない筋肉と言えますね。

内転筋群の主な作用・股関節の内転:脚を内側に寄せる動き
・股関節の屈曲:脚を体より前に出す動き
・股関節の内旋:大腿を内側に向ける動き
・股関節の伸展:脚を体よりも後ろに下げる動き

内転筋群の中でも大内転筋が中核を担っており、脚やせには欠かせない部位です。
ランジトレーニングでは、他の部位に比べると少ないですが、内転筋群を鍛えることができます。

 

ランジトレーニングで得られる3つのメリット

 

ランジトレーニングで得られる3つのメリット

 

では、ランジトレーニングを行うことで、どんなメリットが得られるのでしょうか?

結論、以下のようなメリットが得られます。

①基礎代謝が上がり、脂肪燃焼効果が得られる
②程よく筋肉がつき、引き締まったキレイな脚になる
③全身が鍛えられ、姿勢が良くなる

それぞれのメリットについて、見ていきましょう。

 

①基礎代謝が上がり、脂肪燃焼効果が得られる

 

先述したように、ランジトレーニングでは大臀筋や大腿四頭筋などの大きな筋肉が鍛えられます。
大きな筋肉はそれだけ消費するカロリーも大きいため、鍛えると脂肪燃焼効果が高くなります。

 

下半身に全体の筋肉の7割があるため、基礎代謝を上げる意味では、ランジトレーニングはとても有効です。

 

②程よく筋肉がつき、引き締まったキレイな脚になる

 

「ランジトレーニングを行うと、たくましい脚になる」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
そもそも女性の場合は、男性に比べてテストステロンの分泌量が少なく、男性のようなムキムキの体にはなりづらいです。

 

正しいフォームで行えば、程よく筋肉がつき、引き締まった綺麗な脚になります。
特に、お尻やふくらはぎはたるみやすい部位なので、ランジトレーニングで引き締めるのが良いですね。

 

③全身が鍛えられ、姿勢が良くなる

 

引き締まった下半身(脚)になるのはもちろん、意識して行えば体幹も鍛えられるため、結果的に全身が鍛えられます。

 

関連記事
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ランジトレーニングで、お尻や体幹などの体の中心に近い部分を鍛えることができます。
これが、姿勢の改善につながるわけですね。

 

ランジトレーニングの正しいやり方

 

ランジトレーニングの正しいやり方

 

ランジトレーニングのバリエーションを紹介する前に、やり方について見ておきましょう。
本記事では、他の記事とは少し違った説明になります。

 

ランジトレーニングの基本的なフォーム

 

ランジトレーニングで気をつけるべきポイントは、以下の通りです。

・軸足のかかと重心で行う
・膝を過剰に前に出さない
・上体を倒さず起こしておく
・体幹(コア)を意識しながら行う
・つま先の向きは基本まっすぐにしておく

それぞれ、簡単に解説していきます。

 

軸足のかかと重心で行う

 

 

ランジトレーニングでは、どちらかの足が前に出ています。
この前に出た足(軸足)のかかとに重心を置くことで、お尻を効果的に鍛えることができます。

 

 

この写真でいうと、「左足のかかと」に重心がくるように意識しましょう。

 

膝を過剰に前に出さない

 

スクワットでも同じですが、膝を過剰に前に出すと、膝に負担がかかるためNGです。

 

人によっては少し前に出しても良い場合もあるので、ここでは「過剰に出さない」という表現を使っています。
基本的には、足の真上に膝があります。

 

 

この写真のように、膝が足より前に出ないようにしましょう。

 

また、よくやりがちなのが、後ろ足の膝がつくことです。

 

 

この姿勢だと、負荷が抜けるのと、もも前ばかりに効くことが考えられます。
後ろ足の膝は、地面ギリギリで止めましょう。

 

上体を倒さず起こしておく

 

上体を前に倒すと、自然と膝が前に出てしまいます。
また、もも前ばかりに効くことも考えられるので、上体は基本起こしておきましょう。

 

 

前足の膝、後ろ足の膝が90度、上体を起こす。
これが、基本姿勢です。

 

体幹(コア)を意識しながら行う

 

ここは意識の問題ですが、常に体幹を意識することも大切です。
体幹が抜けると、ふらつきますし、重心が下がってしまいます。

 

具体的には、着地の時や元に戻る時にかかとで蹴る瞬間などで、意識すると良いですね。

 

つま先の向きは基本まっすぐにしておく

 

つま先の向きですが、基本的にはまっすぐにしましょう。

 

 

このように、後ろ足のつま先が外を向くことが多いです。

 

 

基本的には、前足も後ろ足も真っ直ぐ向けておきましょう。

 

 

女性の場合は、後ろ足のつま先を若干内側に向けると、股関節のはまりが良くなります。
慣れてきたら、少し意識してみましょう。

 

ランジトレーニングの効果を高めるポイント

 

ここでは、より効果を高めるポイントを紹介します。

・かかと重心のまま、やや上体を前傾させる
・後ろ足の膝を伸ばし、両方のお尻を鍛える
・ダンベルやバーベルなど、重りを持ったまま行う
・ランジをしながら動きを入れる

こちらも、簡単に解説していきます。

 

かかと重心のまま、やや上体を前傾させる

 

基本的なやり方の部分で、「上体を起こしたまま行う」と書きました。
これは、かかと重心を意識するためです。

 

ある程度慣れて、かかと重心が染み付いたら、少しだけ体を前に倒すと効果的です。

 

 

ただし、前足の膝が前に出ないように気をつけましょう。

 

後ろ足の膝を伸ばし、両方のお尻を鍛える

 

ランジトレーニングといえば、両方の膝を曲げて行うパターンですよね。

 

しかし、お尻を鍛えたい場合には、このパターンはオススメできません。
というのも、膝を曲げる角度が深くなると、もも前に力が入りやすいからです。(もちろん、お尻にも効いています)

 

後ろ足のお尻を伸ばすことで、前足だけではなく、後ろ足のお尻も鍛えることができます。
ちなみに、後で紹介するトレーニングのバリエーションでは、基本このやり方です。

 

ダンベルやバーベルなど、重りを持ったまま行う

 

フォームがキレイになって、重さが物足りなくなったら、ダンベルやバーベルを持ったまま行いましょう。

 

トレーニングには、過負荷の原理や漸進性の原則などがあります。
これは、トレーニングは同じ負荷で行うと慣れてしまって、それ以上成長しなくなるというものです。

 

つまり、慣れてきたら、負荷を少しずつかけていく必要があるわけです。

 

ランジをしながら動きを入れる

 

過負荷の原理や漸進性の原則のほかに、トレーニングには、個別性の原則があります。
これは、体の作りは千差万別なので、みんなと同じトレーニングをやっても、効果が出るわけではないということです。

 

基本的な動きを習得したら、自分に合ったものを選択する必要があります。
また、飽きを防ぐためにも、慣れてきたらバリエーションを加えるのがオススメです。

 

【段階別】ランジトレーニング7選

 

【段階別】ランジトレーニング7選

 

ここまでで、ランジトレーニングで鍛えられる部位や正しいやり方については、理解できましたね。

 

ここからは、具体的なトレーニングに入っていきます。
先述したように、基本的には、後ろ足の膝を曲げないバージョンでの解説となるので、ご了承ください。

 

①スタティックランジ

 

まずは、その場で行うスタティックランジです。

 

①両手を耳に当て、足を開いた状態から両膝を曲げる

 

 

スタティックランジは、基本的なフォームを確認するという位置付けです。
まずは、動作の中で、どの部位を使うかを意識しながら行いましょう。

 

②バックランジ

 

ランジの中で比較的難易度の低いのが、バックランジです。
スタティックで動作確認ができたら、まずはトレーニングを行うのがオススメです。

 

①足を肩幅に開き、両手を耳に当てる

 

 

②そのまま足を後ろに滑らせて、体をやや前に倒す

 

 

③この動作を左右10回ずつ行う

 

軸足のかかと重心と後ろ足のかかとを上げることを意識すると、両方のお尻を鍛えることができます。

 

 

この写真のように、体が前に倒れすぎないように注意しましょう。

 

ちなみにこのトレーニングは、くびれサーキットでも行っています。(2021年3〜5月メニュー)

 

③サイドランジ

 

次は、内ももを鍛えるサイドランジです。
このトレーニングも、難易度は高くないので、特に初心者の方にオススメです。

 

①足を肩幅に開き、両手を耳に当てる

 

 

②体を正面に向けたまま、足を真横に大きく開く

 

 

③軸足(写真の場合、右足)で地面を蹴り、元の位置に戻る

 

 

④この動作を左右10回ずつ行う

 

着地の瞬間に体幹と蹴る時に内ももを意識すると、より内ももを鍛えることができます。

 

 

このように、体が着地足のほうに流れないように注意しましょう。

 

 

また、この写真のように、体が前に倒れすぎるのもNGです。

 

④クロスランジ

 

次は、クロスランジです。
サイドランジができるようになったら、少し難易度の高いクロスランジがオススメです。

 

①足を肩幅に開き、両手を耳に当てる

 

 

②体を正面に向けたまま、片足を斜め後ろに出す

 

 

③戻ったら、次は逆足を同様に行う

 

 

④この動作を左右交互に5回ずつ行う

 

着地する足を少し遠くすると、より軸足のお尻にストレッチがかかります。

 

 

この写真のように、足が横に出てしまうと、体幹が安定せずお尻に効きづらいです。
斜め後ろに足を出して、体を真っ直ぐに保ったまま行いましょう。

 

⑤フロントランジ

 

次は、フロントランジです。
最初からフロントランジに入る方が多いですが、お尻に効くのが分かるようになってから行うのがオススメです。

 

①足を肩幅に開き、両手を耳に当てる

 

 

②片足を大きく前に出し、かかとから着地する。

 

 

③前足のかかとで地面を蹴り、元の位置に戻る

 

 

④この動作を左右交互に5回ずつ行う

 

かかとから着地と戻す時にかかとで地面を蹴る意識を持つことで、お尻をより鍛えることができます。

 

 

この写真のように、体が前に倒れすぎるのはNGです。

 

 

また、後ろ足の膝が曲がると、後ろ足のお尻が鍛えられないだけでなく、重心が下がってしまいます。
後ろ足の膝はしっかりと伸ばし、両方のお尻を鍛えましょう。

 

⑥ひねりフロントランジ

 

次は、フロントランジのバリエーションです。
前に踏み込むまでは、同じ動きです。

 

①踏み込んだ足と同じ側の手を地面につき、反対側の手を伸ばして胸を開く

 

 

②この動作を左右10回ずつ行う

 

胸を開く時に、支えている側の手で地面を押すと、より胸がストレッチされます。
ここでは軸足と同じ側の手をついていますが、反対側の手でもOKです。

 

 

この写真のように、肩がすくまないように注意しましょう。

 

⑦ジャンピングランジ

 

最後は、ジャンピングランジです。
これは高強度なので、トレーニングに慣れてきたら行ってみてください。

 

①スタティックランジの時よりも、少し足幅を広くして両膝を軽く曲げておく

 

 

②足を入れ替えながらジャンプする

 

 

③軸足を変えて着地する

 

 

④この動作を10回行う

 

まずは、スピードではなく、フォームを意識しましょう。
着地したら、少し止まって、どこに効いているかを確認するイメージです。

 

番外編:ランジ→足上げ(捻り)

 

番外編として、ランジからの足上げを紹介します。

 

①足を肩幅に開き、両手を耳に当てる

 

 

②足を大きく前に出し、かかとから着地する

 

 

③軸足のかかとを中心に、後ろ足を上げる

 

 

④1秒止めたら、上げた足を元の位置に戻す

 

 

⑤骨盤から下を止めたまま、体を横に捻る

 

 

⑥捻り終わったら、軸足のかかとで地面を蹴ってスタートポジションに戻る

 

 

⑦この動作を左右交互に5回ずつ行う

 

これは、基本的なバリエーションなので、ここからさらにアレンジを加えて頂いてもOKです。

 

【まとめ】ランジを取り入れて、美脚を目指そう!

 

【まとめ】ランジを取り入れて、美脚を目指そう!

 

最後に、本記事のまとめです。

まとめ

・ランジを行うことで、美脚・基礎代謝up・姿勢の改善といったメリットが得られる
・基本的には、上体を起こしたまま軸足のかかとを重心に行う
・反対に、膝が前に出すぎない、体を前に倒しすぎないように注意する
・動きに慣れてきたら、重さを変えたり、バリエーションを増やしたりする

ランジトレーニングは、自宅でも行える下半身を効率的に鍛えられるトレーニングです。

 

ぜひ本記事を参考に、正しいフォームでランジトレーニングを行い、理想のボディに近づけてください。

 

では、また次回の記事でお会いしましょう!

 

くびれサーキットトレーナー 上原道矢